Project/Area Number |
04J01186
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 樹 九州大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | N-混乱ポルフィリン / 金属錯体 / 多量体 / 自己集合 / C_3対称 / 超分子 / ベンゼン三量体 / aromatic-aromatic相互作用 / 動的過程 / 動的構造変化 / 機能変化 / イオン応答 / ジヒドラジノピリジン / ポルフィリン / ポルフィリン類縁体 / 自己二量化 / 配位子交換反応 / ヘテロ二核二量化錯体 / 無摂動系 / 完全無置換N-混乱ポルフィリン |
Research Abstract |
前年度までに合成法を確立した各種メゾ無置換型NCPを用いてNCP多量体の合成を試みたところ、金属錯化によってNCP多量体が容易に生成することがわかった。すでに混乱部位周辺に置換基を有するNCPの亜鉛(II)錯体が自己二量化することを明らかにしているが、今回、完全無置換型NCPを配位子として用いることによって、環外周部窒素周辺に嵩高い置換基がない特徴を反映し、自己二量化よりは自己三量化が優先して進行することが明らかになった。さらに、単量体部分がC_1対称であることから、C_3対称三量体とC_1対称三量体の超分子ジアステレオマー対が生成していることを^1H NMR等の解析により明らかにした。また、この2種の三量体の平衡反応についてトルエン中における熱力学的パラメータを求めたところ、C_3対称三量体がC_1対称三量体よりも約1kcal/mol安定であることが示され、これは密度汎関数法計算を用いて見積もられた安定性と一致する結果であった。 一方で、5位にフェニル基を有するモノ置換型NCPを配位子として生成する三量体は、溶液中・固体中の両方において、C_3対称三量体のみであることが^1H NMRやX線結晶構造解析によって判明した。完全無置換型NCPとモノ置換型NCPからなる三量体を^1H NMRや光学分割により詳細に検討した結果、3個のフェニル基の間に働く相互作用、すなわちベンゼン三量体構造に起因する安定化エネルギーによって、後者の三量体が熱力学的・速度論的に大きく安定化されていることが明らかになった。この安定化エネルギーは約4kcal/molと見積もられ、従来から計算化学によって予想されていた値とほぼ同等の値であった。これは、3個の芳香族環の間に働く相互作用を超分子の安定化に用いた初めての系であり、また、溶液中でその安定化エネルギーの評価に成功した最初の例でもある。
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