コレステロール輸送に関わるABCAIの活性制御機構の解明
Project/Area Number |
04J01269
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
宗平 洋一 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 脂質 / ABCA1 / LXR / cholesterol / コレステロール排出 |
Research Abstract |
ABCA1、ABCG1は末梢組織に蓄積したコレステロールを血漿中へと排出する膜タンパク質である。これら2つのABCタンパク質はオキシステロールをリガンドとする転写因子LXRにより転写制御を受けており、細胞内コレステロールの上昇にともなって発現量が増加する。本研究ではABCA1またはABCG1によるLXRの転写活性制御機構を解析した。その結果、ABCA1はコレステロールの排出ではなく細胞内コレステロールの局在変化を介してLXRの転写活性を抑制することを明らかにした。さらに、ABCA1は細胞内のLXRリガンドの減少を介さずにLXRの25-hydroxycholesterolおよび27-hydroxycholesterolによる活性化を抑制する可能性を示した。LXRの転写活性に対する同様の抑制効果はMethyl-・-cyclodextrin(M・CD)を用いた細胞膜コレステロールの引き抜きによってもみられた。コレステロール結合型のoxysterol binding protein(OSBP)は、脱リン酸化酵素と複合体を形成しており、M・CD処理はコレステロールをOSBPから引き離すことでこの複合体を乖離させ、活性型ERK1/2を増加させることが報告されているため、ABCA1によるERKの活性化を調べた。ABCA1の発現はM・CD処理と同様に活性型ERK1/2を増加させること、活性型ERK1/2の増加がLXRのリガンド依存的な転写活性を抑制することが明らかになった。以上よりABCA1はシグナル伝達を介してLXRの転写活性を抑制することが示唆され、この経路にコレステロール結合タンパク質であるOSBPが関わっている可能性が示された。次にABCG1はATP加水分解活性に依存してLXRの転写活性を抑制することを明らかとした。この阻害は、ABCG1による細胞内コレステロールおよびオキシステロールの局在変化により起こる可能性を示した。さらにABCG1はステロイド骨格を持たないLXRの合成リガンドTO901317(TO)によるLXRの活性化を非拮抗的に阻害すること、LXRのリガンド依存的な活性がメバロン酸により増大することを明らかにした。これより、この抑制には細胞内のメバロン酸あるいはその代謝物の減少が関わっていると考えられた。以上の結果よりABCG1は細胞内のLXRリガンドを輸送するだけでなく、メバロン酸合成を抑制することでLXRの転写活性をフィードバック抑制する可能性を示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)