結晶格子欠陥を利用した新しいナノデバイスの研究開発
Project/Area Number |
04J01318
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Research Fellow |
中村 篤智 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | アルミナ / セラミックス / 導電性 / 粒界 / 転位 / TEM / 原子・電子構造 / 電流電圧特性 |
Research Abstract |
アルミナ中の転位に沿ってTiを拡散させると、転位近傍に形成されるTi雰囲気に沿った電気伝導性が発現することから、アルミナの転位特性が注目されている。アルミナ転位の特性解析を行うために、周期的に刃状転位が配列する小傾角粒界を有する双結晶の利用が有効である。そこで本研究ではアルミナの双結晶を作製し、その転位構造解析を行うとともに、各種ドーパントの転位偏析挙動を調査した。また、Ti偏析により作製された周期的導電性細線の伝導性をAFMにより調べた。 方法としては、市販の高純度アルミナ単結晶に鏡面研磨を施した後、2つの単結晶を1500℃、10時間の条件で熱拡散接合することによって双結晶を作製した。双結晶は、回転軸を[1-100]、粒界面を(11-20)、互いの結晶の[0001]軸が2θ=0.4°および2θ=2.0°の傾角をなすように設定した。形成された対称小傾角粒界に対して、透過型電子顕微鏡による構造解析を行うとともに、Tiなどのドーパント添加処理を行い、電子線エネルギー分光法を用いて転位およびその近傍の組成分析を行った。また、導電性チップを使ったAFMコンタクトカレントモードにより、粒界近傍の電気伝導特性を調べた。 作製された双結晶においては、(11-20)粒界面に[1-100]方向の転位線が形成される。そこで、この粒界を[1-100]方向から透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、刃状転位が周期的に(11-20)粒界面に配列していることが確認できた。さらに、この粒界転位を高分解能電子顕微鏡で観察した結果、それぞれの転位が複数の部分転位に分解していると分かった。また、電子線エネルギー分光法を用いてTi添加処理を行った試料を分析したところ、転位直上においてのみTiが検出された。さらには、粒界において周期的に存在するこうしたTi細線には導電性があることが確認された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)