メソポーラス半導体膜の低温製膜技術を用いるフィルム型色素増感光電池の開発
Project/Area Number |
04J01360
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Research Fellow |
村上 拓郎 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 色素増感 / 太陽電池 / プラスチック / CVD / UV / 活性酸素 / チタンアルコキシド / 光触媒 |
Research Abstract |
本研究ではプラスチック型色素増感光電池の変換効率を7%代に向上させることを目標としている。酸化チタンメソポーラス膜の低温成膜法として、泳動電着法を用いて酸化チタン多孔膜を室温にて成膜し、オルトチタン酸テトライソプロピル[(CH_3)_2CHO]_4Tiを気相蒸着(CVD)を行うことで光電変換効率を向上させることに成功した。さらに紫外線を照射することで活性酸素処理を行い、アルコキシドのプロピル基を分解し、酸化チタン微粒子間の結合を強化することでさらに光電変換効率が向上することが明らかとなった。 そこで、CVD処理における効果をより詳しく検討した。CVD処理により生成した酸化チタンと多孔膜として使用した酸化チタン微粒子(昭和タイタニウム、F5)の結晶性をXRDにより調べた。その結果、酸化チタンF5粒子ではアナターゼ型に帰属される強いピークが確認されたのに対して、CVDにより生成した酸化チタンでは回折ピークは確認されず、アモルファスであることがわかった。さらにCVD処理で得られた酸化チタンの電気的特性を調べるためにITO表面にCVDで酸化チタン膜を成膜したものを電極基板とし、その上に酸化チタンF5粒子による多孔層を成膜させた後に色素増感させ光電池を作製した。すなわち通常の光電池の酸化チタン多孔層とITOの界面に新たな酸化チタン薄層を導入させた構成となる。光電流電圧特性により検討した結果、CVDによりITOと酸化チタン多孔層界面に新たな酸化チタン層を導入することで光電流値が極端に減少した。また、CVD処理後、色素増感させた光電極の可視反射スペクトルを測定したところ未処理のものより吸光度が小さかった。これら結果から、CVDによって得られた酸化チタンは導電性が低く、色素の吸着能も低いと考えられる。以上よりCVD処理による変換効率の向上は、酸化チタン微粒子間の結合を強化することに加えて色素から酸化チタンへ注入された電子が酸化チタン/電解液界面において電解液中のヨウ素への逆電子移動を防ぐ効果があると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)