Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
適切な社会行動の欠損として知られる自閉症の動物モデルを作り出すため,遺伝子操作の可能なマウスを用い,社会行動および社会関係の形成過程を詳細に分析した.遺伝子操作の基盤系統マウスを分析することで,遺伝的欠損が示唆されている自閉症の原因因子の発見につなげ,動物モデルによる自閉症の解明と治療を目的としている. コロニー内での自然な社会行動を観察した結果,互いに接触しながら休むというハドリングおよび相手個体への接近方略において,向社会的な成分を発見した.これら行動形態は友好な社会関係の維持における敏感の指標となりうる. また,げっ歯類において典型的な嗅覚によるコミュニケーションに注目し,においの検出とそれへの反応としてのにおいづけ行動を分析した.この分析から,ほぼ同様の遺伝子情報を持つinbred系統マウスが同種個体の弁別ができないこと,性差の区別,日齢の区別はできることなどを発見した.これらの決定因子をもちいることで,マウスがにおい相手の個体識別をしているかどうかを明確に示す実験パラダイムを開発した.このパラダイム,そして自然場面コロニーにおいて観察された社会行動を分析することで,マウスにおける個体識別から社会関係の形成,維持に至るまでの詳細な検討が可能となった. この新しい動物行動に基づいたテスト法を用いることで,遺伝子欠損マウスの行動特性を詳細に分析し,自閉症における各候補遺伝子の社会行動に及ぼす機能を明確にする試みを今後の検討課題とした.
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