原始活動銀河核の物理とブラックホールの宇宙論的成長
Project/Area Number |
04J01879
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
川口 俊宏 国立天文台, 光赤外研究部, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 活動銀河核 / 巨大ブラックホール / ガス降着 / ブラックホール |
Research Abstract |
1、活動銀河核の輝線プロファイルと光度-中心ブラックホール質量比に相関を発見。 活動銀河核の中心ブラックホール(BH)質量は、銀河核が放射する輝線の周波数方向の広がり(幅)を用いて推定される。重いBHの周りは重力ポテンシャルが深いため、そこに束縛されたガス雲がより高速で運動し広い輝線幅を示すからである。我々は、輝線プロファイルが活動銀河核のEddington比(天体の光度とBH質量の比に比例)と相関関係にある事を始めて明らかにした。つまり、Eddington比が大きい(小さい)天体ほど、中心周波数から離れた周波数まで裾が長く引いた(中心周波数の周りに放射強度の集まった)プロファイルを見せる。これまでのBH質量推定値を真の(より確からしい)BH質量に焼きなおす補正式を導出した。この結果は、Astronomy & Astrophysics誌に2006年3月に掲載受理され、現在印刷準備中。 2、超高光度X線源の放射スペクトルを超臨界ガス降着円盤モデルで再現。 軽めのBHへたくさんガスが落ちているという、超臨界ガス降着モデルを用いて、現在も謎の天体であり続ける超高光度X線源のスペクトルを再現できることを示した。従来はこれらの天体のスペクトルは中間質量を示唆するものと推察されてきたが、我々が示したように太陽質量の数十倍のBHでスペクトルを説明しうるということは、ブラックホールの成長史の観点からも意義深い。この解析で用いた申請者のスペクトルモデルを、X線解析汎用ソフト(XSPEC)を用いれば世界中の誰でも使えるように準備中である。 3、原始活動銀河核の母銀河の電波観測を開始。 原始活動銀河核では、巨大BHだけでなく、母銀河も今現在進化中である可能性が高い。この予想を確かめるべく、野辺山電波干渉計(長野県)を用いて、これらの母銀河における分子ガス(銀河の成長の燃料となる)の量と分布を探査する観測を世界に先駆けて開始した(2006年1月)。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)