Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
我が国の代表的なマツ科針葉樹の根系には、多くの場合外生菌根菌が感染している。これらの樹種は外生菌根菌と共生関係を結ぶことによって養分や水分の吸収が助長され、成長を促進させている。また、外生菌根菌は、近年増加している酸性降下物の影響を受けやすく、酸性化した土壌から溶出され、植物に対して毒性を示すアルミニウムやマンガンに対しても感受性が高い。しかし、一部の外生菌根菌は、アルミニウムに対して高い抵抗性を持つと報告されている。本研究は、マツ科樹木に高いアルミニウム耐性を持つ外生菌根菌を接種し、酸性降下物に伴う土壌酸性化の影響に加え、増加を続けるCO_2の影響を加味した複合影響が、接種個体のアルミニウム耐性と成長に及ぼす効果を検証する。そして、植林時に外生菌根菌を接種する技術を、酸性環境下における森林の修復・再生技術として新たな知見を提供することを最終目標とする。本年度は、外生菌根菌の接種に伴う樹木の養分・水分の吸収促進と、成長促進効果、およびCO_2に対する影響を検討するために、アカマツとカラマツの実生にコツブタケの接種を行い、通常のCO_2濃度(360ppm)と2倍の濃度に増加させたCO_2濃度(720ppm)に調節した自然光型環境調節室で実生の育成を実施した。実験の結果から、アカマツは、コツブタケを接種した個体において乾重量、光合成速度、葉内リン濃度が増加した。また、高CO_2環境下で育成させたアカマツは光合成速度の低下が認められた。一方、カラマツは高CO_2環境下で育成したコツブタケを接種した個体に光合成速度が高くなったが、乾重量や葉内元素濃度に有意な差が認められなかった。
All 2005 2004
All Journal Article (10 results) Book (2 results)
Journal of Agricultural Meteorology 61
Pages: 1113-1115
Phyton 45(in press)
Environmental Pollution 139(in press)
Annals of Botany 95
Pages: 661-672
Journal of Agricultural Meteorology 61(in press)
Environmental Sciences 12(in press)
北方林業 56
Pages: 269-272
40006528338
道路と自然 124
Pages: 30-33
Pages: 257-260