環境調和型エネルギーシステムの実現を目指した酸化物熱電変換材料に関する研究
Project/Area Number |
04J02657
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Research Fellow |
三上 祐史 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 学振特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高温酸化物熱電材料 / 層状コバルト系酸化物 / 配向性焼結体 / 酸化物熱電モジュール |
Research Abstract |
酸化物熱電変換材料を用いた熱電変換モジュールの作製を行った。まず、P型Ca_3Co_4O_9について焼結体の熱電特性の向上を試み、その結果得られたバルク体と、N型LaNiO_3を用いて熱電モジュールを作製し、発電特性を評価した。 1.P型Ca_3Co_4O_9焼結体の配向性の向上 Ca_3Co_4O_9は層状の結晶構造に由来して特性に大きな異方性を有し、ab面内においてのみ優れた熱電特性を発揮する。そのため、配向性焼結体の作製は不可欠であった。本研究では一軸加圧焼結を用いた焼結体作製において、前駆粉末を構成する板状微結晶の粒径と焼結体の配向性について調べた。その結果、粒径を制御することにより高配向・高密度の焼結体が得られることが分かった。また、焼結体のab面が配向した方向の導電率が改善され熱電特性が向上した。 2.金属Ag微粒子との複合化によるP型Ca_3Co_4O_9焼結体の導電率の向上 高密度化、高配向化された焼結体について、さらに導電率を向上させることを目的として、金属Ag微粒子との複合化を試みた。Ag供給源としてAg_2Oを用いることにより、Ca_3Co_4O_9結晶粒界に数μ以下のAg微粒子を分散させることに成功した。その結果、導電率が大幅に向上した。また、Agとの複合化により熱起電力が減少してしまったが、Ag混合量を調節することにより熱電特性を向上できることが分かった。 3.熱電モジュールの作製と発電試験結果 P型Ca_3Co_4O_9とN型LaNiO_3を用いて熱電モジュールを試作した。アルミナ板を基板とし、Agシートを電極として各8個の酸化物焼結体を交互に直列に接合した。得られたモジュールについて発電試験を行った結果、モジュールの高温側の温度が650℃、温度差が550℃の場合に0.56Wの出力が得られた。モジュールのサイズ(縦4.2cm、横4cm、高さ0.7cm)から算出される出力の面積密度および体積密度は0.033W/cm^2、0.048W/cm^3となり、おおよそ名刺サイズで1.7Wの出力を有することが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)