テロメアの1本鎖DNA領域に結合する蛋白質の高次構造とテロメア調節機構
Project/Area Number |
04J02801
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Research Fellow |
古川 亜矢子 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | テロメアDNA結合蛋白質 / テロメア1本鎖DNA / 相互作用解析 / 等温的滴定型熱量計ITC / テロメア4本鎖DNA |
Research Abstract |
真核生物の染色体末端のテロメアDNAの長さは、テロメアDNA結合蛋白質によって調節されており、細胞の老化や癌化と密接な関係にある。テロメアDNA結合蛋白質の一つであるPot1蛋白質はテロメアの3'末端の1本鎖DNA領域に特異的に結合し、染色体の構造維持などに寄与するが、詳細な分子機構は不明である。 そこで、Pot1のテロメア1本鎖DNA結合領域(Pot1DBD)中の、テロメア1本鎖DNA認識に必須なアミノ酸を明らかにすることで、Pot1の詳細なテロメア1本鎖DNA認識機構の解明を目的とした。まず、既報のPot1とG2:d(GGTTAC)との複合体のX線結晶構造解析の知見を用いて、G2の塩基と水素結合を介して結合する9っのアミノ酸残基(S58,T62,D64,K90,T111,Q120,S123,K124,D125)とG2の塩基とスタッキングを介して相互作用する3つのアミノ酸残基(F88,Y115,U22)に変異を導入し、点変異型Pot1(1-182)を作製した。続いて、ゲルシフト法と等温滴定型熱量計によるG2への結合能及び、熱力学的パラメーターの解析を行ったところ、T62V, D64A, K124A, F88A, L122A, L122FのみがG2への結合能を顕著に消失した。また、G2との結合能が低下すると、ΔHとΔSの絶対値に大きな減少が見られることが明らかとなった。よって、この5個のアミノ酸残基がテロメアDNA認識に顕著に寄与することが示唆された。以上の解析から、X線結晶構造からテロメアDNA認識に関与すると判断されるアミノ酸残基の中でも、テロメアDNA認識への寄与の程度は大きく異なることを見出した。DNA認識機構の理解のためにはX線結晶構造解析のみでは必ずしも十分ではなく、点変異型蛋白質による解析が必須であることを、示唆している。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)