Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、各素子のアセンブリまで考慮に入れたMEMS(Microlectromechanical System)支援型による光システムを実現する。Siウェハを折り曲げる技術を用い、自由度の高い立体構造を実現する方法を提案した。具体的には、光学ベンチ上にMEMS型光スキャナを配置し、回折格子を隣接して配置することで特定の回折角をもつ波長だけが選択されるLittman型外部共振器波長可変レーザの製作を行っている。ウェハ折り曲げ技術を応用し、チューニングミラー回転軸を空間の特定位置にする工夫をし、モードホップ特性において有利に働く構造に設計した。チューニングミラーには平行移動と回転動作が必要であり、単純な回転のみではモードホップフリーの実現が出来ない。そこで、チューニングミラーには平行な2つの軸で回転するMEMS型ミラーを用い、平行移動および回転動作を実現する。可動フレーム、内部ミラーは静電力による櫛歯電極型アクチュエータをそれぞれ用いることで、独立に駆動できるようにした。また、広い波長可変範囲を得るため、チューニングミラーでは、大きな動作範囲が必要となる。ウェハ折り曲げ技術を応用し、可動フレームの駆動用に深い立体構造を有する垂直櫛歯電極型アクチュエータを形成したSOI(Silicon on Insulator)ウェハを用いて、MEMS型チューニングミラーを製作した。直流電圧40Vで垂直櫛歯電極型アクチュエータを駆動させ、ミラー端で120μmの動作範囲を実現した。可動フレーム、内部ミラー用アクチュエータをそれぞれ独立に駆動し、チューニングミラーにおいて平行移動と回転移動を制御することができた。MEMS型のミラーの歩留りや駆動特性の改善を行った。可動フレーム、内部ミラー用アクチュエータをそれぞれ駆動することで、チューニングミラーの回転中心を電気的に設定できることを確認した。