遷移金属触媒を用いる小員環化合物の多段階連続反応の開発と生理活性物質合成への展開
Project/Area Number |
04J03253
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
|
Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
杉本 健士 東北大学, 大学院薬学研究科, 助手
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | シクロブタノール / ルテニウム / 連続反応 / 環拡大反応 / シクロペンタノン / 有機合成化学 / 遷移金属触媒 / 小員環化合物 / 転位反応 |
Research Abstract |
2-アルキリデンシクロペンタノン類は天然界より産出される生理活性天然物に含まれる骨格であり、興味をもたれる化合物群である。これらを構築する方法の開発は以前より行われているが、炭素-炭素結合の形成を伴ったシクロブタノールの環拡大反応を含む多段階連続反応による構築は例は少ない。そこで、これまで当研究室で見出してきた連続的環拡大反応により、これらを効率的に構築することを目的とし、ルテニウム触媒を用いるアセチレニルシクロブタノールの連続的環拡大反応の開発を行った。 即ち、アセチレニルシクロブタノールに対しCpRu(PPh_3)_2Cl触媒存在下メチルビニルケトンを作用させ検討を行った。その結果、トルエン溶媒中CeCl_3を共存させ80℃にて加熱すると、目的とした炭素-炭素結合の形成と環拡大反応が連続的に進行し、(Z)-選択的に2-アルキリデンシクロペンタノンが得られることが分かった。更なる検討の結果、同様の条件下触媒としてCpRu(MeCN)_3PF_6を用いると、生成物には逆の選択性が発現し、(E)-選択的に成績体を与えるという興味深い知見を見出すことができた。この選択性発現のメカニズムについて詳細な検討を行ったところ、速度論支配のZ型の成績体から熱力学支配のE型の成績体への異性化がCpRu(MeCN)_3PF_6により触媒されることを見出し、反応機構の解明を行うことができた。また本反応が種々の基質に対しても適用可能であることからも、本連続反応が有用な分子変換反応であることを示すことができた。現在これらの結果を学術誌に速報として投稿中である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)