Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
炭素-水素結合を炭素-イオウ結合に変換する遷移金属触媒反応は、有機イオウ化合物を合成する上で有用である。先に当研究室では、ロジウム触媒によって1-アルキンと有機ジスルフィド化合物からチオアルキニル化合物を与えることを見出した。これはロジウム錯体がアルキン炭素-水素結合とイオウ-イオウ結合を活性化し、炭素-イオウ結合を生成する反応である。今回、芳香族炭素-水素結合から炭素-イオウ結合に変換する反応について検討した。ビス(4-メトキシフェニル)ジスルフィドと4.5当量の1,3,5-トリメトキシベンゼンを酢酸パラジウム(20mol%)存在下、DMF中加熱還流下作用させると、4-メトキシフェニル2,4,6-トリメトキシフェニルスルフィドが収率14%で得られることを見出した。パラジウム錯体の添加は必須であり、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を添加すると収率が77%に向上する。ここでDDQはパラジウム活性種を再生する酸化剤として作用する。さらにテトラクロロ-1,4-ベンゾキノンを用いると、触媒回転率61を与えることがわかった。この反応は脂肪族ジスルフィドにも適用できる。遷移金属触媒を用いる芳香族スルフィド化合物の合成は、芳香族ハロゲン化物もしくはイオウハロゲン化物を用いる置換反応が報告されている。これに対し本反応は、入手容易な芳香族化合物と有機ジスルフィド化合物から芳香族スルフィド化合物を与える簡便な方法である。
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