シロイヌナズナのウイルス抵抗性に関与する宿主遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
04J03315
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plant pathology
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
石原 岳明 東北大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | キュウリモザイクウイルス / シロイヌナズナ / 病害抵抗性 / EDS5 / サリチル酸 / cDNAマクロアレイ / DUF179 |
Research Abstract |
シロイヌナズナのecotype C24はキュウリモザイクウイルス黄斑系統[CMV(Y)]に対して抵抗性を示す。これまでに、抵抗性シグナル伝達系の解明の手がかりを得るために、cDNAアレイを用いて遺伝子発現パターンを経時的かつ網羅的に比較解析した。 本年度はこのデータをもとに、接種24時間後に発現が増加する遺伝子のうち、病害抵抗性への関与が示唆されているEDS5遺伝子についての解析を行った。これまでにEDS5遺伝子に変異がある場合にはCMV(Y)に対する抵抗性遺伝子RCY1を有していても完全な抵抗性反応は発揮されないことが明らかになっている。そこで、EDS5を過剰発現するC24の形質転換体を作出して解析を行った。EDS5過剰発現体では野生型に比べて矮化が見られた。EDS5の過剰発現によるCMV(Y)抵抗性への影響を調べるために、CMV(Y)の移行面積とウイルスの増殖量を野生型と比較したところ、移行面積が小さくなり、増殖量も減少していることが明らかになった。また、CMVの異なる系統であるCMV(B2)やCMVとは異なる属に属するTurnip crinkle virusに対してC24は罹病性であるが、過剰発現体におけるこれらのウイルスの増殖量を調べたところ、いずれにおいても野生型と比較してウイルスの増殖量が減少していることが明らかになった。これらのことから、過剰発現体においては広範なウイルスに対して抵抗性が増していることが示唆された。さらに、過剰発現体のサリチル酸量を測定したところ野生型と比較して2〜3倍のサリチル酸が蓄積していることが明らかになった。これらのことから、過剰発現体ではサリチル酸合成以下のシグナルが恒常的に活性化されており、このため病原体に対する抵抗性を有しているものと考えられる。このように病害抵抗性におけるEDS5遺伝子の重要性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)