Project/Area Number |
04J03416
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
豊崎 秀海 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | スピントロニクス / Co添加TiO_2 / レーザーMBE法 / トンネル磁気抵抗効果 / 光誘起強磁性 / 異常ホール効果 / 強磁性半導体 / トンネル磁気抵抗素子 / 磁気円二色性 / キャリア誘起強磁性 / CoドープTiO_2 |
Research Abstract |
本研究は、室温で動作するスピントロニクス素子の作製を究極の目標としている。 我々は室温強磁性であるCo添加TiO_2の強磁性の起源がキャリア誘起によるものであることを系統的に作製した試料の磁気輸送効果および磁気光学効果の測定から明らかにし、Co添加TiO_2のスピン偏極したキャリアをスピントロニクス素子に利用可能であることがわかった。そこで我々は、Co添加TiO_2を用いたスピントロニクス素子としてトンネル磁気抵抗素子の作製を行なった。基板表面処理、薄膜成長条件の最適化、そしてデバイス構造の最適化など作製プロセスを改良することにより、世界で初めて酸化物強磁性半導体を用いたスピントロニクス素子の動作を実現した。さらに我々は、キャリア誘起強磁性の性質を活かし、光照射をすることで、Co添加TiO_2の強磁性を変調することに成功した。この光照射による効果は、室温で観測でき、室温で動作するスピントロニクス素子のはじめてのデモンストレーションとなった。したがって、Co添加TiO_2は、実用化可能な強磁性半導体であることを証明することができた。また、我々は、2004年にCo添加TiO_2の異常ホール効果が導電率に対して特異的なスケーリング則を示すことを見いだしている。近年の理論研究によりそのスケーリング則は、異常ホール効果の起源と密接な関係にあり、我々の研究成果は、実験的に異常ホール効果の起源に関連したスケーリング則を示した最初の例であったことが分かった。 我々の研究成果により、Co添加TiO_2は、非常に興味深い材料物性を示すだけでなく、応用に適した材料であることを示すことができた。今後、強磁性酸化物半導体に関する研究を進めていく上で、これらの研究成果は非常に大切な土台となるであろうことが確信できる。
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