多機能ダイヤモンドライクナノコンポジット薄膜センサに関する研究
Project/Area Number |
04J03420
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
竹野 貴法 東北大学, 流体化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 積層膜 / 多機能化 / グラニュラー薄膜 / ホッピング伝導 / タングステンカーバイド / 超伝導薄膜 / 磁気抵抗効果 / 温度センサ / 磁場センサ / クラスタ / グラニュラー構造 / 電気伝導 |
Research Abstract |
1.目的 センサの実用化のため、タングステンを含むDLC(以下、W-DLC)膜を用いて積層構造を作製し、電気的・機械的特性を評価する。本年度はW-DLC/DLC/Si及びDLC/W-DLC/Siの2種類の積層膜について検討する。前者は一般的な工業用材料である金属系材料上に製膜することを模擬したもので、中間DLC層の電気的な絶縁層としての機能性を評価する。一方、後者はW-DLCセンサ層を保護する目的でDLC層を作製したものであり、その機能性について摩擦磨耗試験結果より検討する。 2.研究実績 (1)W-DLC/DLC/Si積層構造 膜の面内方向の電気抵抗が数100Ωであるのに対し、膜厚方向の抵抗が数MΩであったことから、中間DLC層は絶縁層として機能する事がわかった。透過型電子顕微鏡により導電性シリコン基板上に積層構造が作製されていることを確認し、W-DLCとDLCとの間には明瞭な境界面が存在しないことがわかった。この領域をX線光電子分光法により評価したところ、透過型電子顕微鏡の結果と同様に明瞭な境界を示す化学的な結合状態は存在しないことがわかった。よって、W-DLC/DLC/Si積層膜においては上部W-DLCの炭素母相と中間DLCの構造は同等であり、相が連続的に存在していることから、良好な密着性を示す。本知見により、導電性基板上にW-DLCセンサ作製の可能性が示された。 (2)DLC/W-DLC/Si積層構造 透過型電子顕微鏡により積層構造を確認した。また、W-DLC/DLC/Si積層構造と同様に、層間に明瞭な境界が存在せず、連続的な構造である事がわかった。ボールオンディスク型の摩擦磨耗試験器により、摩擦の相手材をステンレススティール球との間で摩擦・磨耗の耐久性試験を行ったところ、W-DLC膜が試験の初期段階においてはく離もしくは膜への損傷が著しかった。一方、DLC/W-DLC/Siにおいては試験回転数が1万回転を超えても、中間に存在するW-DLCセンサ層への損傷がなかった。本知見により上部DLC層の保護膜としての機能性が示された。 以上2種類の試験により機械的機能性とセンサとしての機能性を有する多機能センサ作製の可能性が示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)