プラズマ中における、非熱的高エネルギー粒子の加速機構について
Project/Area Number |
04J03718
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plasma science
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Research Institution | University of Toyama |
Research Fellow |
齊藤 慎司 富山大学, 工学部, 特別研究員-PD
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 太陽フレア / 磁気再結合 / ティアリング不安定性 / 温度異方性 / 粒子シミュレーション / 粒子加速 |
Research Abstract |
粒子加速の原因であると考えられる磁気再結合に関する研究では、平衡のとれた薄い電流層が存在することを仮定してきた。しかし激しい変化を伴う太陽フレアの直前では、そのような平衡のとれた電流層のみを考えることは難しい。本研究では時間的に電流層が薄くなる電流層の圧縮過程を考え、その中でどのようにして粒子加速の原因となり得る磁気再結合が生じるのかということについてプラズマ粒子シミュレーションを用いて調べた。まず反平行磁場を持った比較的厚い電流層を考え、それをプラズマ流によって一様に圧縮する。この圧縮過程において電流層付近での磁場の強さが時間的に変化する。この時磁場に対して垂直方向の電子温度が電流層内で上昇する。これは磁場の時間的変化によって磁場に対して垂直方向に電場が発生し、それによって電子が加熱されたと考えられる。これにより電流層内において、方向によって温度が異なるという電子の温度異方性が生じる。このような熱分布が電流層内で発生すると磁気再結合を引き起こす原因の一つであるティアリング不安定が強く誘導される。温度異方性を伴ったティアリング不安定性は、たくさんの磁気島を生み出し、これらの連続的な合体を繰り返す。最終的に電流層のほぼ10倍の幅を持つ磁気島を形成する。また、この時の連続的な合体現象を通じて、準周期的に高エネルギー電子が生成されるという結果が得られた。 太陽フレアにおいて、準周期的な粒子加速を示唆する観測がいくつかなされている。本研究の結果は太陽フレアにおける高エネルギー粒子加速メカニズムの一つを示していると考えられる。本研究で示しているように、粒子加速の原因となり得る磁気再結合のプロセスを考える場合は、平衡状態の電流層を考えることのみならず、非平衡状態にあるような電流層を考えることも重要であるということを示している。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)