Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
これまでに、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスのLANAと宿主細胞由来因子Brd4が結合することを見いだした。実際にウイルスが感染しているBCBL-1細胞において、LANAとBrd4とは結合していた。また、免疫染色法によりBCBL-1細胞内でLANAとBrd4は共に核内に存在し、局在が部分的に一致していることがわかった。部分的にアミノ酸残基を欠損したLANAおよびBrd4が互いに結合するか否かを検討した結果、LANAについては1139番目から1162番目のアミノ酸の領域がBrd4との結合に重要であり、Brd4についてはN末端側に含まれるセリン残基に富んだ2つの領域及びETドメインと呼ばれる領域がLANAとの結合に重要であることがわかった。一方、大腸菌で発現させて精製したBrd4及びLANAの蛋白質断片がin vitroで結合したことから、Brd4とLANAは直接結合することが示唆された。Brd4はP-TEFb(CyclinT1/Cdk9)と結合し、細胞内の転写を安定化していることが以前に報告されている。そこで、HAタグを付加したBrd4及びFLAGタグを付加したLANAを発現させたHEK293T細胞の抽出液にっいて、抗HA、及び抗FLAG抗体を用いた2段階の免疫沈降を行ったところ、2段階の免疫沈降の結果得られた蛋白質複合体中にBrd4、LANA及びP-TEFbが含まれていたことから、これらが細胞内で一つの複合体として存在することが示唆された。次に、細胞内でBrd4及びLANAを共発現させると、AP1及びE2F結合部位の下流のルシフェラーゼ遺伝子の発現が上昇したが、ETドメインを欠損しLANAと結合しないBrd4を用いた場合には野生型Brd4を用いた場合ほど上昇しなかったことから、LANAはBrd4と相互作用することによって細胞内の転写に影響を与えていると考えられる。
All 2006 2004
All Journal Article (3 results)
Journal of Biological Chemistry 281
Pages: 28113-28121
Biochemical Journal 402
Pages: 397-403
Journal of Molecular Biology 340・1
Pages: 29-37