新規公開市場における会計情報と株価形成に関する研究
Project/Area Number |
04J03940
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Accounting
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Research Institution | Kobe University |
Research Fellow |
松本 淳宏 神戸大学, 経営学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 会計情報 / 新規公開 / 新規公開市場 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに行った分析について再検討するとともに、新たに(1)株式公開前の利益特性に対するアナリストの評価に関する調査と、(2)残余利益モデルによる公開価格の評価に関する調査、という二つの課題に取り組んだ。株式公開前の利益特性に対するアナリストの評価については,以下の三つの発見事項が得られた。第1に、公開前に利益増加型の会計手続きを選択する企業ほど、公開後の利益に対するアナリスト予想は楽観的になる。第2に、公開前の利益の質が低い企業ほど、公開後の利益に対するアナリスト予想は楽観的になる。第3に、公開前の利益の質が低い企業ほど、公開後の利益に対するアナリスト予想は不正確になる。このような結果は、情報仲介者であるアナリストが公開前の利益特性を適切に認識していないということを意味する。残余利益モデルによる公開価格の評価については、以下の諸点が析出された。まず、残余利益モデルにより推定した公開価格の理論値と実際の公開価格とを比較したところ、平均的に理論値の方が低いことが明らかになった。これは、公開価格が過小評価(underpricing)されているというこれまでの通説に反する結果である。次に、公開前の利益特性が理論価値の推定に与える影響を調査したところ、公開前に利益増加型の会計手続きを選択した企業する企業ほど、理論価値が過大に評価されるという結果が得られた。また、公開価格のミスプライシングに基づき、割安な銘柄を購入し割高な銘柄を空売りすると仮定した投資戦略によって、超過リターンが得られることが明らかになった。よって、公開後の長期パフォーマンスの低下(long-rununder performance)の一因は、公開価格のミスプライシングにあると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)