Project/Area Number |
04J04006
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松永 康佑 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | タンパク質ダイナミックス / エネルギーランドスケープ / 主成分解析 / 時系列解析 |
Research Abstract |
1 高次元カオス力学系である多くの化学反応系において、鞍点領域に頑健に存在する法双曲的不変多様体の概念に基づいて、化学反応の成立条件を調べた。具体的には、HCNの異性化反応に対して基準座標近似が破綻する領域で、相空間上の分離された標準形座標に対応する分子の運動を可視化し、ポテンシャル井戸内で必ず反応する初期条件の集合を考察した。 2 タンパク質の協調的運動を捉える手法として広く用いられている主成分解析により捉えられた集団座標上で、幾つかのタンパク質モデルにおいて、互いに異なるタイプの異常拡散運動が階層的な時間スケールに渡って観測されている。タンパク質の機能を「外界からの刺激に対する応答として始まる一連の構造変化とそれに伴う化学反応」として見た場合、機能発現の原理的理解のためには、このように複数の時間スケールを伴った運動がどのように生起して、分子機能の頑健性と関わっているのかを把握することが求められる。しかしながら、一方で最近、多次元通常拡散過程モデルに対して主成分解析を適用した場合、得られた集団座標上の運動は異常拡散となることが解析的に導かれ、タンパク質系で観測された異常拡散運動は単にポテンシャルエネルギー地形の広さに比べて時系列の長さが短いために観測される人為的結果である可能性が示唆されている。この問題に対し、異常拡散の起源を判別するためにカオス力学系における新しい概念である有限サイズリヤプノフ解析を用いた判別方法の可能性を考察した。まず、多次元通常拡散モデルに対して、主成分上で異常拡散が観測される場合においても、軌道の有限近傍領域の不安定性を調べることによって、その運動は通常拡散を内在していることを明らかにできることを示した。簡単な多次元ポテンシャルエネルギー地形を持つモデルに対して同様の解析を行い、ポテンシャルエネルギー地形の特徴と、解析結果との関連性を調べた。
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