Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
FitzHugh-Nagumo型楕円型方程式系の境界値問題に関連して次の2つについて研究を行った. 1.非斉次Allen-Cahn方程式の定常問題 数直線上の区間(0,1)上の境界値問題-(ε^2)u_{xx}=u(a(x)^2-u^2)を考える.境界条件はNeumann境界条件で,a(x)>0なる関数で,ε>0は十分小さい定数.非定常問題で拡散を無視した場合の常微分方程式の考察から,a(x)と-a(x)は2つの安定な状態を表し,非線形項は双安定と呼ばれる.a(x)が定数関数の場合,安定な定常解は定数しかないということが知られていたが,a(x)が定数でなく,有限個の極小点をもち,各極小点で2回微分が0でない場合,2000年にNakashimaによって,任意の極小点のまわりに遷移層をもつ解の存在が示されている.ここで遷移層とは,この場合,非常に狭い範囲で解の値が-a(x)からa(x)あるいはa(x)から-a(x)に変化する形状をいう.そこで,本研究ではa(x)が極小値をある区間Iでとっている場合,区間Iのまわりに遷移層をもつ解を構成できるかという問題について研究を行った.本研究では変分方に基づいた優解・劣解の方法を用いることにより,遷移層をもつ解の存在を示すことができた. 2.unbalancedな双安定反応拡散方程式の定常問題 原点中心の単位球上で境界値問題-(ε^2)Δu=h(|x|)^2(u-a(|x|))(1-u^2)をNeumann境界条件で考える.同じくε>0は十分小さく,h>0,-1<a<1である.以前の研究により,a(r)=0となるrの集合の前後でaが符号を変えている場合,対応するエネルギーを最小にする解は,球対称であり,その集合のまわりに-1から1あるいは1から-1へ狭い範囲で急激に値をかえる遷移層を持つことが知られていた.本研究では,ある区間I上でa(r)=0となり,その区間の前後でaが符号を変えている場合.遷移層ができる位置に関して,h(r)がどのような影響を受けるかに関する研究を行ったところ,r^{N-1}h(r)をその区間Iで一番小さくするrのまわりに遷移層ができることを示すことができた.
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