構造が明確な環状ポルフィリン多量体の合成と機能評価・光集光素子への応用研究
Project/Area Number |
04J04183
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 愛子 首都大学東京, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ポルフィリン / 光合成膜タンパク質 / 環状構造 / 走査型トンネル顕微鏡 / 四角形 / π共役 / レッドシフト / 単分子画像 / 三角形 / ホスト-ゲスト化学 |
Research Abstract |
光合成を担うタンパク質(LH-II)は、27個ものクロロフィルが車輪状に配列したサブユニットを内包している。これらは高い光捕集能を有し、光合成における高効率光エネルギー利用に貢献していると考えられているが、その詳細は未だ解明されていない。本研究では、環状構造が特異的に示す光化学的性質を明らかにするため、モデル化合物として大環状ポルフィリン多量体を合成する計画を立てた。標的化合物の吸収波長を天然系の示す赤色吸収体に近接させるため、ポルフィリン連結部位にアセチレン結合を選択した。その結果、得られる分子には高い平面性も誘起されると期待される。これらの設計指針に基づき、昨年度までに環状ポルフィリン12、20量体の合成に成功した。今年度は、これまでと同様の手法を用いることにより、さらに巨大な環状体、28量体を合成する計画を立てた。 目的とする環状28量体の合成は、環状20量体の合成中間体であるコーナー型5量体から導いたコーナー型7量体の四量化カップリング反応を用いて行った。得られた茶色化合物をジクロロメタンに溶解し、清浄Au(111)表面上に真空噴霧法を用いて単分子膜形成を行った。液体窒度下、測定を行うと四角形に配列した輝点の集合体が観測され、予想される分子の形状とよい一致を示した。画像から分子のサイズを見積もると、四角形の一辺は12nmであり、分子モデリングにより得られた値11nmとよい一致を示す。これらの結果から、得られた分子は標的化合物である環状28量体であると考えて矛盾しない。この画像を、これまでに得られた環状12、20量体のSTM画像と比較すると、分子サイズの増加に伴い分子サイズが約3.5nm、内部空孔が約2.0nm変化したことが分かった。 得られた各環状体の紫外・可視吸収スペクトルを測定したところ、環サイズ拡張に伴い吸収波長のレッドシフトとピークのブロードニングが確認された。この結果は、各環状体においてπ共役系が拡張していることを示唆している。 本研究では、拡張π電子系を有するポルフィリン多量体の単分子画像を得ること、及び電子状態に関する知見を得ることに成功した。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)