粘土鉱物上におけるポルフィリン分子の配向制御と光捕集系構築への応用
Project/Area Number |
04J04186
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic industrial materials
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Research Fellow |
江口 美陽 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 無機層状化合物 / ポルフィリン / 有機無機複合体 / 配列制御 / 配向制御 / エネルギー移動 / 電子移動 / 配向変化活性化エネルギー / 層状化合物 / 配列 / 配向 / 配交変化速度 / ナノ層状化合物 / 有機・無機複合体 / 配向角 / 二色性測定 |
Research Abstract |
研究全体としては「光化学反応場の構築(分子レベルでの配列、配向制御法の探索)」「反応場における色素の物理化学的性質の解明」「反応場と光物質変換系の共役」等の研究に取り組んだ。以下にその概要を記す。 反応場の構築には、化学合成粘土鉱物を用いた。粘土鉱物を機能性有機分子であるポルフィリンと複合化させ、その挙動を観察した。具体的には、ポルフィリン配向間(平行吸着型・非平行吸着型)の配向変化速度定数、エネルギー関係を明らかにした。まず、平行吸着成分、非平行吸着成分について三重項の過渡吸収測定を行い、配向変化速度定数を見積もった。同様の測定、解析を異なる温度下で行い、アイリングプロットを描いた。プロットの傾きと切片から、両配向間のエネルギー関係を決定した。試料温度を変化させることによる両配向成分の存在比の推移からも両配向間のエネルギー関係を見積もることができるが、これは速度論的解析と良い一致を示した。 この研究は層状化合物を基盤としてポルフィリンを思い通りに並べ、光機能材料として利用することがひとつの大きな目標となっている。そこで、層状化合物上におけるポルフィリン分子の寿命は重要な情報である。ポルフィリンの寿命は、溶液中のものとほぼ同等で、この点からも、ポルフィリン分子同士の相互作用、ポルフィリンと層状化合物の相互作用など、光反応を阻害するような相互作用が起きていないことを確認することができた。この性質を大きく発展させるために、層状化合物上における異なるポルフィリン分子間でエネルギー移動反応、後続反応として電子移動反応と共役させることに挑戦し、成功した。人工光合成系を構築するにあたり、光捕集系としての役割を果たせるデバイスを作るための足掛かりを得ることができた。さらに、エネルギー移動反応をポルフィリンの異なる配向状態間にも適用することで、より複雑な反応系を作ることができると考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)