サルデーニャの舞踊音楽研究-ラウネッダスの舞踊音楽との比較考察を通して-
Project/Area Number |
04J04203
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Research Fellow |
金光 真理子 東京芸術大学, 大学院・音楽研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イタリア / サルデーニャ / 民族音楽学 / ラウネッダス / 舞踊音楽 |
Research Abstract |
本研究は、イタリア・サルデーニャ島の舞踊音楽について、これまで看過されてきた舞踊の観点からの分析・考察を加えることによって、音楽の構造を相関的・包括的に解明することを目的としている。 本年度は、これまでサルデーニャでおこなってきたフィールドワークの成果をまとめ、博士論文を完成させた。本研究では、とくにラウネッダスlauneddas(サルデーニャの三管クラリネット)で演奏される舞踊曲の構造を、「イスカラiskala」という概念の分析・考察を通して明らかにしている。 本研究のポイントは二つあり、第一に、イスカラの概念をめぐって、サルデーニャの民俗誌を描き出したことである。フィールドワークから得られた資料やインタヴューを基に、イスカラが成立した背景を社会的・文化的に考察し、人々の実践感覚として、<共同体の維持>と<個人の名誉>を同時に追求する心性が、サルデーニャの共同体社会、ラウネッダス奏者の世界、そして舞踊の場に共通して認められることを明らかにした。ラウネッダス舞踊はこのような実践感覚に基づくパフォーマンスであり、イスカラが演奏のアウトラインとして、また舞踊のプロットとして機能していることを論じた。 第二に、イスカラとして伝承されてきた一連の旋律型を解明したことである。本研究では、ラウネッダス演奏の中心地サッラブス地方のマエストロ、アウレリオ・ポルクへの聞き取り調査から得られたインタヴューと録音資料を基に、<観念レベル>と<具体レベル>という新たな枠組みのもと、イスカラに関する言説、イスカラを弟子へ教える教習過程、イスカラに基づく実際のパフォーマンス(演奏と舞踊)の三つの段階を分析・考察した。論文には、筆者が舞踊曲の演奏の採譜・分析から特定したイスカラの旋律型を掲載している。また、ラウネッダス舞踊が盛んであったイェルツ村やヴィッラプッツ村で記録・収集した資料からステップをラバノーテーションLabanotationによって記譜・分析し、旋律型の展開に照らしあわせ、舞踊の観点からも旋律型の分析結果を実証した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)