Project/Area Number |
04J04252
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
今田 健太郎 国際日本文化研究センター, 研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 芸術諸学 / 音楽学 / メディア史 / 芸能史 / 映画学 / トーキー / 無声映画 / 演奏実践 / 日本音楽史 |
Research Abstract |
本研究は、日本における無声映画からトーキー映画への移行期に焦点をあて、トーキー映画体験を通じた知のありようを探ろうとするものである。平成16年度には、日本のトーキー映画における音楽のあり方やその評価には、大きく分けて欧米のやり方を導入しようとするものと、近世から無声映画を経て続く芸能興行の慣習の延長にあるものがあるということを指摘し、本研究では後者に重点をおいて進めることを表明した。さらに平成17年度は、映画という視聴覚形式が、先行する芸能(たとえば絵解きや人形浄瑠璃など)を受け継いでいること、さらに映画における語りと音楽は先行芸能に依拠しつつ、映画に独自のはたらきをもちえるようになったことなどを指摘してきた。 この移行の詳細を具体的にすることこそ、本研究の眼目といえよう。そのため平成18年度は、「囃子」という形式・実践・概念についての研究を進めた。囃子は、能、歌舞伎、文楽など、映画に先行する諸芸能に必ず含まれる音楽的実践であり、映画や芸能における音楽の位置づけの一典型を示していることに着目したからである。たとえば、学会発表ではないが、京都市立芸術大学日本伝統音楽センターのプロジェクト研究「近代日本における音楽・芸能の再検討」では、3度の口頭発表をおこなった。囃子という概念が日本における映画の音楽を分析するのにどれだけ有効か、また、無声映画からトーキー映画への移行を描くに適したものかどうかについて、議論を重ねている。その間接的な成果のひとつが、「What's Gekiban?:A Composition Style for Animation Films in Japan and its Roots as Exemplified by Lupin III Works」である。これは、《ルパン三世》というアニメーション映画の音楽を、難子という形式・実践・概念で説明しようとした論考であるが、予想どおり、かなりの類似性があることが明らかになった。 他方、調査活動の一環として昨年度おこなっている無声映画の伴奏音楽を実演する機会を、今年度も得ることができた。昨年度と同様、これは情報提供者の依頼によるため、研究公演というよりも、現在の通常の興行というコンテクストのなかでおこなった。このようなコンテクストに身を置いて、伴奏音楽を再現する作業は、上記の囃子の議論を支えるものであり、また応用する場面でもあることから、本研究に資するところとなっている。
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