有機パラジウムおよび白金錯体を構成要素とするロタキサンの合成と機能
Project/Area Number |
04J04523
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
須崎 裕司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ロタキサン / 白金 / 有機金属 / クラウンエーテル / 水素結合 / 自己集合 / フェロセン |
Research Abstract |
カルボキシラート白金錯体を軸状分子、およびクラウンエーテルを環状分子とするロタキサン誘導体の合成と、その反応性の検討を行った。これらのロタキサンは主に、環状分子と軸状分子との間に働く水素結合によって安定化されており、もちいるクラウンエーテルの形状によって、その安定性が大きく変化することがわかった。またロタキサンの溶液中での性質をNMRスペクトル測定によって精査した結果、軸状分子内部に存在する白金-酸素結合が可逆な解離再結合を繰り返していることがわかった。これを裏付ける実験事実として、溶液内において環状分子の交換反応を進行させることが可能であることを見出した。合成した含白金ロタキサンの軸分子内部の白金-酸素結合は高い反応性を有しており、酸と反応させることによってこれを切断し、軸状分子から白金錯体部分を切り離すことが可能であった。このほかにもロタキサンに導入した白金錯体部分に対して各種反応基質との反応を行なうことで、ロタキサンの固定化や分解反応を見出すことができた。すなわち本研究では、有機遷移金属錯体部分を導入することによって、高い化学反応性を有するロタキサンの合成とその評価に成功したことになる。また、上記のロタキサン合成に採用した24員環のクラウンエーテルに対して、パラジウム錯体部分を導入するための合成手法の確立にも成功し、得られた含金属クラウンエーテルのロタキサン形成能の評価に着手する段階まで到達することができた。 一方でアミノメチルフェロセン誘導体に対する電気化学的刺激を駆動力とする[2]-及び[3]-擬ロタキサン形成反応の開発及び生成するロタキサンの同定、評価をおこなった。また、ルテニウム錯体触媒によるクロスメタセシス反応を利用して、フェロセンを軸分子内部に有する[2]ロタキサンの合成に成功し、その電気化学的な性質の評価を行なうことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)