東アフリカ産カワスズメ科魚類における視覚に関する遺伝子の進化
Project/Area Number |
04J04576
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
菅原 亨 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | カワスズメ科魚類 / RH1 / 平行進化 / シクリッド / ロドプシン |
Research Abstract |
視覚機能の多様化には、目の網膜の視細胞に存在する視物質の蛋白質成分であるオプシン蛋白質の機能の多様化が重要である。オプシンの機能には、外界からの光を受容し、受容した光をG蛋白質に伝えることである。本研究では、東アフリカの湖に生息するカワスズメ科魚類の種間で、視物質の一種、薄明かりでの視覚を担うロドプシンの比較解析をおこなった。 まずはロドプシンの蛋白質成分RH1蛋白質遺伝子の配列を56種、233個体決定した。次にアミノ酸配列の違いと波長感受性の関係を深るため、この中から典型的な配列を示す28種類のRH1蛋白質を哺乳類の培養細胞系により発現し、11-シス-レチナールと再構成することによりロドプシンを再生させ、波長感受性を測定した。ロドプシンの波長感受性の比較解析から、RH1蛋白質292番目のアミノ酸置換が波長感受性のシフトに重要であることが明らかとなった。また、光情報伝達過程における種間の違いを調べるため、タンガニイカ湖の浅瀬に生息しているAltolamprologus calvusと、マラウイ湖の深場に生息しているDiplotaxodon macropsの2種間でロドプシンのMeta-II中間体の生成速度・崩壊速度を比較した。RH1蛋白質83番目のアミノ酸置換がMeta-IIの生成速度の違いに重要であることが示唆された。 カワスズメ科魚類の進化の過程で、この2つのアミノ酸残基の置換は離れた系統で独立に繰り返し起こった、つまり、平行進化の結果であることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)