ATP合成酵素のF。モーターは、ヘリックスの内部回転で動くのか?
Project/Area Number |
04J04582
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三留 規誉 東京工業大学, 資源化学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ATP合成酵素 / プロトンチャンネル / 分子モーター / 膜蛋白質 / プロトンチャネル |
Research Abstract |
本研究の目標は、ATP合成酵素のF_0モーターが、H^+の電気化学的エネルギーを回転という力学的エネルギーに変換する仕組みを解明することである。本年度は、回転のできないATP合成酵素を作製し、それを用いてF_0モーターの重要残基(aArg169)の回転における役割を明らかにした。 F_0モーターのc_<10>リングは、H^がaサブユニットcサブユニットを通る際、ab_2サプユニットに対して回転する。aサブユニットにはすべての生物種のATP合成酵素で保存されたアルギニン残基(aArg169)がaサブユニットとcサブユニットの境界にあり、c_<10>リングの回転制御に重要だと考えられている。本年度はaArg169の回転における役割を解析した。aArg169をGlu, Ala, Ala, Val, Ile, Lys, Phe, Trpに置換した変異酵素は、ATP合成活性、ATP駆動のH^+輸送活性は完全になくなり、c10リングが回転しないことが示唆された。一方で、これらのaArg169置換変異酵素のうち、R168E, R169およびR169V変異酵素はH^+を透過することがわかった。このH^<10>はcE56Q変異により完全に防がれた。c_<10>リングの回転を制御するために10個のcサブレットとaサブユニットを一本のポリペブチドとして融合した回転の出来ないc_<10>-a融合した回転のできないc_<10>-a融合ATP合成酵素を作製した。このc_<10>-a融合ATP合成酵素はc_<10>とaを結ぶリンカーを切断すると活性を持つことから、本来の構造を模倣している。このc_<10>-a融合ATP合成酵素はH^+を透過しないが、aArg169をAlaに置換したc_<10>^<-a>融合ATP合成酵素はH^+を透過することが明らかとなった。このことから、aArg169をAlaに置換したc10^<-a>リングの回転を介さない短絡的なH_+の透過を防ぎ、H^+の透過を防ぎ、H^+の流れをc_<10>リングの回転に連動させる役割があることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)