量子非破壊測定を利用した原子の量子テレポーテーションの実現
Project/Area Number |
04J04587
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
赤松 大輔 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 量子光学 / 量子エレクトロニクス / 量子情報処理 / 非線形光学 |
Research Abstract |
本研究では、電磁誘起透明化(EIT)を利用した手法(光凍結)により、肝となる原子ガスのスピンスクイーズド状態を得ることを計画していた。具体的には、光凍結によりスクイーズド光の量子状態を原子集団のスピンコヒーレンスの量子状態に転写することにより、スピンスクイーズド状態を得る。EITに伴う鋭い屈折率分散により光パルスが媒体中を超低速度伝播し空間的な圧縮を受ける事が光凍結による量子状態の転写を可能にしている。そこで、本年度は、スクイーズド光の光凍結の実現を目標として実験を行った。 透明化を誘起するコヒーレント光とともに、パルス化されたスクイーズド光をガスセルに入射した。EITにより透過してきたスクイーズド光パルスを二色の局発光を用いた光ホモダイン検出法により測定した。実験結果から、EITにより媒体中を伝播するスクイーズド光の群速度が真空中の約5000分の1まで低下していることが確認された。本実験は、EITによりスクイーズド光を超低速度伝播させる事に成功した初めての実験であり、スクイーズド光の光凍結へ向けた礎として大きな意味を持つ。現在、実験結果をまとめた論文を英文雑誌に投稿中である。 上記の実験のような常温の原子ガスを用いた場合、高い光学密度を持つ媒体中において、狭帯域でかつ高い透過率を持った透明窓を生じさせることは実験的に困難であることが、これまでの研究により明らかになってきた。そこで、レーザー冷却された極低温原子集団を用いて実験を行った。極低温原子集団を用いた場合には高い光学密度をもつ媒体中(OD〜5)でも100%の透過率を持つ透明窓を生じさせることができることがわかった。極低温原子集団を用いてスクイーズド光の超低速度伝播の実験を行うことで、よりSNの高い実験結果を得ることができるようになり、媒体中の群速度を真空中の約15000分の1まで低下させることにも成功した。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)