層状ダブルペロブスカイト・マンガン酸化物における電荷整列転移の圧力効果
Project/Area Number |
04J04647
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
岡本 裕司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 機能性酸化物 / Mn酸化物 / 磁気抵抗効果 / 酸素不定比性 / ペロブスカイト / ハーフメタル / 電荷整列 / 圧力効果 / ダブルペロブスカイト |
Research Abstract |
本研究では、酸素欠損型層状ダブルペロブスカイトMn酸化物:BaREMn_2O_<5+δ>(REは希土類元素)における各RE種での酸素不定比性とこれに伴う物性変化を系統的に解明することを目的としている。該年度の研究では、H.Fjellvag教授(ノルウェー・オスロ大学・化学科)との共同研究により、本物質と類似の構造をもつ複合ダブルペロブスカイトMn酸化物:LaMn_7O_<12>における、局所構造を中性子磁気散乱法・放射光x線散乱法により解明し、局所構造変化と磁気特性、および、磁気輸送特性との相関を明らかにすることを目的とした。試料合成においては、超高圧合成法を用いることで高品質なLaMn_7O_<12>試料の作製に成功した。同試料の磁気特性を調べた結果、異なる2つの磁気秩序転移を示すことがわかった。このことはLaMn_7O_<12>が2つの副格子からなる複合磁気構造をもつことを示唆する。中性子散乱実験においても、同様に各転移温度以下で各副格子がそれぞれ独立な磁気構造を持つことを示唆する回折像を得た。とくに、高温側の磁気転移はフェリ磁性を示唆する結果であり、近年注目されている「ハーフメタル」物質の観点から非常に興味深い物質であるといえる。さらに、本物質の放射光x線回折によるその場観察の結果、本物質が380℃付近で構造転移を示すことを明らかにした。詳細な構造解析の結果、この構造転移がMn^<3+>に特有な協同Jahn-Tellerゆがみに起因することを明らかとした。 以上の結果は、本物質が既知のハーフメタル物質(La,Sr)MnO_3と大変類似した特性を有することだけではなく、独自の複合構造が特異な物性を発現することを示唆しており、本物質の詳細な結晶・磁気構造とそれら物性との相関を解明することは、本研究課題であるペロブスカイトMn酸化物の化学的・物理的圧力効果を理解する上で非常に重要であるだけでなく、新規ハーフメタル物質の探究指針を構築する上で非常に重要だといえる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)