安永期噺本の外在的および内容的研究-舌耕文芸研究の視点から-
Project/Area Number |
04J04773
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山下 久美 (鈴木 久美) 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 近世文学 / 噺本 / 雑俳 / 俳譜 / 笑話 / 雲鼓 / 文体 / 本草宇 / 教訓本 / 後藤梨春 / 漂流記 / 擬古文 |
Research Abstract |
本年度は、採用年度の最終年に当たり、安永期の噺本・噺本作家研究を総括し、これを発展させることを目的とした。 まず、初年度から取り組んでいた『老翁談』(安永期噺本の主要作家である奥村意語<太保堂主人・萬釈庵十意>作の未紹介・未翻刻作品)の翻刻と調査を終えた。(『老翁談』紹介と翻刻) 次に、仮号を多用する噺本作家の素性を解明し、その交友関係や彼らが担う複数の文芸活動領域を考察することで噺本の成立背景や作品の性質を明らかにする、という安永期作家調査の研究手法に則り、安永期作品の母胎ともなった後期軽口本の作家調査に取り組んだ。軽口本と俳譜との関係は従来から指摘されていたものの、具体的な作家.作品関係に言及した論稿はなく、本研究によって、当時(享保期)上方で活躍していた雑俳選者松泉が『当流咄初笑』『軽口機嫌袋』の作者として噺本の制作に携わっていたことが明らかとなった。(雑俳と噺本-享保期軽口本を中心に-)さらに、この調査結果を発展させる形で、後期軽口本に見られる口語表現と、松泉が属していた雲鼓流雑俳の体との文体的接点を浮かび上がらせるという視点から、噺本文体の分析を行った。これは、作家研究と文体研究という本研究目標の両輪に深く関連するものである。(噺本の文体 -江戸小咄文体の発生-) 本年度に発表した論稿以外の研究活動としては、平成19年度研究成果公開促進費(学術図書)に『噺本の研究』として学術図書刊行を申請した。平成15年に提出した博士論文をもとにまとめたものであるが、平成16年度から本年度に至るまでのPD採用期間の研究成果を合わせ、これを発展させたものである。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)