Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
初年度である今年度(平成16年度)は,まず乾季である7〜8月にインドネシア側の共同研究機関であるパジャジャラン大学生態学研究所を訪問し,対象地としたバンドン市近郊のKaramatmulya村の全1692世帯におけるセンサス調査を行った。これによって,対象農村の全世帯における土地所有や家畜頭数,収入などに関する基礎データを収集することができた。その中で,とくにKebun-talunシステムと呼ばれる伝統的な土地利用システムに注目し,それらの土地利用を行っている世帯の抽出も行った。平成17年2月の現地調査では,土地利用における物質循環の基礎データとして,リターの分解速度,土壌中の有機態窒素の無機化プロセスに関する調査,リタートラップの設置や降雨,土壌侵食などの物質循環プロセスに関する調査についてもデータ収集を開始した。 このほか,対象地およびその周辺域のデジタル版地形図などの地理情報や高解像度衛星画像(Quick Bird)データなども収集した。これらと現地におけるグランドトゥルース調査結果と合わせて,すでに対象地とその周辺地域の地理情報システム(GIS)が構築されつつある。具体的な研究成果としては,GISを用いた農業的土地利用配置の最適化に関する論文を作成しており,国際誌(Landscape & Urban Planning)へ近日中に投稿する予定である。 以上のように,研究の進捗状況は順調であり,カウンターパートであるインドネシア側共同研究者との協力体勢も極めて良好であった。上述の物質循環に関するデータは,1年を通して定期的に収集(1週間〜1ヶ月)することが必要であるが,現地調査の際に議論した調査計画に沿って,現在も現地の学生がデータの収集を継続しており,着実にデータの蓄積がされている。
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