オレフィンの配位・挿入やメタセシス反応に有効な高性能バナジウム錯体触媒の設計
Project/Area Number |
04J05042
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Research Fellow |
山田 純司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | バナジウム / オレフィンメタセシス / アルキリデン錯体 / 配位・挿入反応 / 触媒活性種 / アルキル錯体 / オレフィン重合 / 触媒設計 / バナジウム錯体 |
Research Abstract |
本課題は、オレフィン重合において数多くのユニークな特徴を有するバナジウム錯体に注目し、炭素-炭素結合形成の重要な基礎反応である配位・挿入及びメタセシス反応に有用な高性能錯体触媒の設計指針を確立することを目的としている。特にオレフィンメタセシス反応の触媒活性種であるアルキリデン(金属-炭素二重結合を有する)錯体やオレフィンの配位・挿入反応(配位重合)の触媒活性種であるアルキルカチオン錯体の単離・反応性に関する研究を通じて、より高性能錯体触媒の創製に有効な錯体構造・配位子効果に関する知見の確立、及び触媒設計の重要な指針を得ることを目的としている。平成18年度の主な成果は以下の通りである。 上記目的に有望なV価のアリールイミド配位バナジウムトリクロリド錯体を出発錯体として、新規アルキリデン錯体、(ArN)V(=CHSiMe_3)(O-2,6-iso-Pr_2C_6H_3)、の単離・同定に成功した。この錯体は、前年度報告しているアルキリデン錯体、(ArN)V(=CHSiMe_3)[N=C(tert-Bu)_2]、と同様に、環状オレフィンの開環メタセシス重合に極めて高い触媒活性を示し、特に室温でリビング挙動を示し、分子量の揃ったポリマーを与えた。以上の結果、バナジウムのオレフインメタセシス反応の触媒としての可能性を提案するとともに、有効な触媒の精密設計に関する重要な指針を得た。 アリールイミド配位バナジウムメチル錯体、(ArN)VMe[N=C(tert-Bu)_2]_2、と種々の酸との反応において、使用した酸により異なる反応が進行し、別のアルキル錯体やチオラート錯体、カチオン性錯体が得られるという興味深い結果を得た。特に、チオラート錯体とカチオン性錯体は、X線構造解析による構造決定にも成功し、反応性の差異を詳細に検討することで、各種バナジウム錯体の合成とアルキル錯体の反応性に関する有用な知見を得た。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)