Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
重要他者に対する再確認傾向(以下,再確認傾向)は,自分は重要他者から愛されているのか,自分は価値がある存在なのか,自分はどれだけ優れているのかなど,自分の存在意義に関わる側面について重要他者に対して過度に確認を求める傾向である.再確認傾向が高い人の認知や対人行動の問題について質問紙調査によって検討した. まず,再確認傾向の高い人が重要他者の行動や感情をどう認知するかについて,前年度に続いて調べた.前年度に実施した質問紙調査の自由記述データを再分析したところ,ポジティブイベントに関する記述では,再確認傾向の程度により記述内容に顕著な違いはみられなかった.しかし,ネガティブイベントに関する記述では,再確認傾向の高い群では記述に特徴が見られる場合もあった.たとえば,"誤解された"出来事の経験について,怒りと悲しみという比較的相反するような語が出現した(2006年の日本パーソナリティ心理学会で発表). さらに,再確認傾向とネガティブライフイベントとの対処行動との関連も検討した.女子大学生を対象に質問紙調査を行い,過去の失恋時における対処行動と再確認傾向との関連を検討した.再確認傾向が高いほど,失恋時に失った関係にこだわるような未練的対処行動をとる方向の傾向が示された(2006年のオーストラリア認知行動療法学会で発表). さらに,再確認傾向自体の形成過程を明らかにするため,大学生とその両親を対象に郵送調査をおこない,両親の養育態度と子の再確認傾向の関連を検討した.その結果,父親が保護的な養育態度であるほど,母親が過保護な養育態度であると子から見て感じられるほど,子の再確認傾向が高いことが示された(2006年のアメリカ認知行動療法学会で発表).
|