Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、メダカ野生集団由来の性関連突然変異体(性転換個体)の解析から、原因遺伝子を同定し、性分化カスケードにおける役割を明らかにすることを目的とする。昨年度までの解析から、新潟市白根の野生集団由来のXXオスに関して、(1)メダカ常染色体である連鎖群8の770kbの領域に主要な原因遺伝子が存在すること、(2)原因遺伝子が初期精巣分化に関与すること、を明らかにした。また、近交系Hd-rRの遺伝背景に突然変異体由来の原因領域を導入したコンジェニック系統を作成した。本年度は原因遺伝子近傍の詳細マッピングを進め、候補遺伝子を同定した。1.組換え個体の交配実験:原因領域について変異型(白根由来:S)と野生型(Hd-rR由来:D)のヘテロDS雌と、ヘテロDS雄または野生型ホモDD雄の交配を行い、305の子孫について、原因領域770kb内の12のDNAマーカーについて多型解析を行った。その結果、4タイプの組換え体を得た。組換え体とその子孫において、兄妹間、またはHd-rRと交配し、計408の子孫の性と遺伝子型を調べた。その結果、4タイプのうちのうち3タイプで、組換え型と野生型のヘテロ型から雄が出現することを明らかにし、原因領域をこれらに共通する190kbに絞り込んだ。2.遺伝子予測と発現解析:遺伝子予測プログラムGENESCAN(http://genes.mit.edu/GENSCAN.html)によって、190kb領域内に9のタンパク質コード領域が予想された。これらの予想遺伝子の発現をRT-PCR法により解析した結果、性転換期において3つの予想遺伝子が、生殖巣を含む体幹部で発現していることが明らかとなった。これより、原因領域の候補遺伝子は3に絞られた。今後コンジェニック系統を用いて、これらの遺伝子の詳細な発現解析を進めることで、原因遺伝子を同定する。
All 2007 2006 2005 2004
All Journal Article (6 results)
PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES Of THE UNITED STATES OF AMERICA (PNAS) 104・10
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JOURNAL OF EXPERIMENTAL ZOOLOGY PART A 305A
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