Project/Area Number |
04J05608
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geography
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
奈良間 千之 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 最終氷期 / OSL年代測定法 / 氷河変動 / 衛星画像処理 / 地球温暖化 / GIS / 氷河融解量 / キルギス共和国 / 最終氷期の氷河前進期 / 氷河縮小 / 氷河流出 / 近年の氷河縮小 / 氷河の融氷水の変化 / 氷河のマスバランス |
Research Abstract |
2006年6月と9月に中央アジアのキルギス共和国北部のテルスケイ・アラトー山脈において氷河の融解量調査をおこなった.2004年から継続して観測している河川流量観測所に設置した電気伝導度計と,カラ・バトカック氷河前面に設置した自動気象観測器のデータ回収をおこなった.6月の調査では,カラ・バトカック氷河とアイラマ氷河の氷河表面にスチームドリルで穴を掘り,3.5mのステークをそれぞれ10本ずつ各氷河上に設置した.10月の調査では,各氷河上のステークの長さを計測し夏季の融解量を算出した.2006年の夏季に氷河末端部の氷河表面は3mほど低下していた.3年間観測した氷河表面低下量と河川流量は年により大きく異なっていた.この研究の一部は,2006年8月にイギリスのケンブリッジ大学でおこなわれた国際雪氷学会のシンポジウムで発表した. 2006年11月〜2007年1月にかけてノルウェー王国のオスロ大学で,中央アジアの最近の氷河変動に関する衛星画像の解析作業をおこなった.1970年代初頭に撮影されたCoronaの衛星写真と2000年ごろに撮影されたLandsatの衛星画像から氷河面積を抽出・比較し,最近30年間の氷河面積の変化を明らかにした.対象地域は中央アジアの天山山脈全域で,気候環境の異なる5つの山脈を対象に画像解析をおこなった.この結果,より乾燥している中央天山,北天山南部の氷河面積は最近30年間で1%〜11%ほど消失していた.一方,降水の多い西天山,北天山北部の氷河面積は20%ほど消失していることが明らかになった.天山山脈全城でも,最近の地球温暖化に対する氷河変動への影響は地域ごとに大きく異なっていた. 最終氷期の氷河編年を構築するためのモレーン調査は,2006年6月と9月に中央天山のアトバシ山脈でおこなわれた.アトバシ山脈では,すでに調査したテルスケイ・アラトー山脈と同じ二つの氷河拡大ステージを示すモレーンが確認された.フィールド調査では,OSL年代測定の試料をモレーンから採取し,名古屋大学で試料処理から石英を抽出し,首都大学東京でOSL年代測定をおこなった.この結果,若いステージのモレーンは2万年前ごろ形成されたことが明らかになった.調査地域の北天山のテルスケイ・アラトー山脈と中央天山のアトバシ山脈の氷河拡大ステージは同時期であり,この地域の一番古い氷河拡大ステージは,ヒマラヤやカラコルムなどインドモンスーンの影響下の拡大ステージと異なっていた.調査地域は偏西風影響下であり,ヒマラヤ・カラコルムはインドモンスーン影響下であり,変動の違いは,気候環境の違いが原因であると考えられる.この結果はQuaternary Internationalに投稿中である.
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)
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[Journal Article] OSL dating of glacial deposits during the Last Glacial in the Terskey-Alatoo Range, Kyrgyz Republic2007
Author(s)
Narama, C., Kondo, R., Tsukamoto, S., Kajiura, T., Ormukov, C., Abdrakhmatov, K.
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Journal Title
Quaternary Geochronology 2
Pages: 249-254
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