脂質結合シグナル分子の細胞膜上での超高速拡散と信合の空間制御:1分子法による研究
Project/Area Number |
04J05634
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Kyoto University (2005-2006) Nagoya University (2004) |
Research Fellow |
中田 千枝子 京都大学, 再生医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 脂質結合シグナル分子 / リン脂質 / 細胞膜 / 神経細胞 / イニシャルセグメント / 1分子蛍光 / 光ピンセット |
Research Abstract |
昨年度までに、神経細胞膜および哺乳類の株化細胞、またジャイアントリポソームを系とした人工膜において、蛍光プローブを用い、33-5msまでの時間分解能で脂質結合型膜分子および脂質プローブを1分子レベルで観察・解析した。更に神経細胞膜においては膜分子プローブとして金コロイド粒子を用いることによって、リン脂質の運動観察の時間分解能を25マイクロ秒まで上げることができた。この結果、神経細胞膜は30-40nmという比較的密な膜骨格メッシュワークに裏打ちされていることがわかった。また、本年度は、去年度までに開発した自動焦点維持装置を組み込んだ全反射型蛍光顕微鏡装置を更に発展させた。具体的には、全反射照明と独立に蛍光槌色回復法のための照明系を組み込み、細胞膜の動的平衡を1分子レベル・多分子レベルの両方で調べることを可能にした。また、異なる膜分子の運動制御機構の違いを厳密に調べるためには、細胞膜の同じ場所で異なる分子を同時に観察することがもっとも重要である。このために、本研究では蛍光シグナルの検出光路を3つ設けた新しい全反射顕微鏡装置を開発した。これにより、ある細胞膜領域での3種類の膜分子の運動を全て1分子レベルで同時に観察することが可能となった。このような1分子3色同時観察システムは世界でもまだ報告がない。以上より、脂質結合型シグナル分子の拡散様式が分子によって大きく異なるということ、それらは細胞膜の主要な構成分子であるリン脂質の拡散様式とも異なること、またこれは細胞膜でのみ見られる(人工膜では起こらない)、細胞膜固有の極めてユニークな特徴であることが明らかになった。これらの結果は、上記のように細胞膜膜分子の拡散速度を巧妙に制御する仕組みは、細胞が細胞外環境からのシグナル入力を処理し適切な機能を実行する上で、非常に重要であることを示唆する。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)