定常高密度ダイバータプラズマ模擬実験装置を用いた核融合炉材料への照射研究
Project/Area Number |
04J05734
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nuclear fusion studies
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
西島 大 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員-DC2
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ダイバータ / タングステン / 表面損傷 / トリチウム吸蔵 / ブリスター |
Research Abstract |
核融合炉材料の候補材であるタングステン(W)に低エネルギー・高粒子束のプラズマを照射し、表面損傷やガスの吸蔵量を調べた。特に核融合炉においては放射性物質であるトリチウム(三重水素)の吸蔵が問題であるため、水素プラズマ照射後の材料中における水素吸蔵量を主に調べた。 鏡面仕上げ加工が施されたW試料に水素プラズマを500K程度の照射温度で照射すると、試料表面には直径数百μm程度のブリスターと呼ばれるふくれが生じる。材料中に水素ガスが蓄積して圧力膨張した結果このような表面変化が形成されると考えられる。しかし、表面を研磨紙で故意に傷つけたW試料やあらかじめ700Kでヘリウム(He)プラズマを前照射したW試料ではブリスターの形成が大幅に抑制され、水素ガスの吸蔵量も1桁程少なくなる。機械研磨によりW表面に亀裂が形成されたことが考えられる。この亀裂が放出パスとなって、一旦材料中に進入した水素が材料から再放出したことにより、ブリスター形成に必要なガスの蓄積が起こらなかったのではないかと考えられる。He前照射したW試料表面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、直径5nm以下のHeバブルが多数形成されていた。Heバブルの内圧はGpaと高圧なため、バブル周囲にも多数の亀裂が形成されたことが考えられる。その結果、機械研磨試料と同様の理由で水素の再放出が促進されたことが考えられる。 実機の核融合炉材ではプラズマスプレー法により被覆したW材が用いられる予定であるが、W被覆材においても表面を滑らかにするよりはミクロン大の凹凸を作るほうがブリスター形成を抑制できるということを我々は提案している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)