太陽中性子観測による、太陽フレア現象におけるイオン加速機構の解明
Project/Area Number |
04J05759
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 恭子 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 太陽フレア / 宇宙線 / 粒子加速 / 太陽中性子 |
Research Abstract |
本研究では、太陽フレア現象におけるイオンの加速機構を解明することを目的として、太陽フレアでイオン加速が発生することにより生成される太陽中性子の観測を行っている。 名古屋大学太陽中性子観測国際ネットワークを用いて、第23太陽活動期に観測された太陽中性子のデータと、電磁波による太陽フレア観測データを初めて包括的に解析し、太陽フレア現象で見られるイオンの加速機構の解明を行った。第23太陽活動期には100個以上のXクラスの大きな太陽フレアが発生した。太陽中性子観測国際ネットワークから得られたデータの中から、これらの太陽フレアに伴って発生し、5σ以上の統計的有意性を持って観測された、5つの太陽中性子イベントを選び、衛星で観測された強度の強いγ線の発生時刻と中性子のタイムプロファイルを比べ、イオンの加速過程を調べた。その結果、高エネルギーの太陽中性子はγ線が発生した時刻に同時に生成されている事が明らかになった。 第23太陽活動期までに観測された全10例の太陽中性子イベントは、全てべき-3〜-4のべき関数で書き表されることが分かった。この解析結果より、太陽表面でのイオン加速ではショック加速機構が働いていることを明らかにした。加速されたイオンの全流量は1030〜1033個/srであった。発生した中性子の分布は、パンケーキ型であることが示唆された。 2005年9月7日には今までで最大の強度の太陽中性子イベントが観測された。信号は4つの検出器で観測され、信号の統計的有意性はどの検出器でも10σ以上であった。上記と同様の方法を用いて太陽中性子のスペクトルを導出したところ、高エネルギー側と低エネルギー側でべきが異なる、折れ曲がったスペクトルが得られた。このことより、太陽中性子はある時間幅を持って発生しているか、発生過程でスペクトルが変化していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)