デザイン型超強酸の開発とその触媒的応用および新規機能性材料への展開
Project/Area Number |
04J05776
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
長谷川 愛子 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員-DC2
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超強酸 / パラ位特異的求核置換 / アリールビス(トリフリル)メタン / 二塩基酸 / キラルブレンステッド酸 / 不斉マンニッヒ反応 |
Research Abstract |
当研究室ではすでに新規ブレンステッド超強酸、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン(C_6F_5CHTf_2)の開発に成功している。また、このブレンステッド超強酸が様々な求核剤に対してパラ位特異的に求核置換反応することを見い出し、それを利用して固体担持型ブレンステッド酸や、フルオラス超強酸触媒の開発に成功した。さらに、求核剤としてジオールから容易に調製できるジアルコキシアニオンやアリールジブロミドから調製できるアリールジアニオンを用いることによって、1分子中に活性プロトンを2つ持つ二塩基酸が合成できた。さらには、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの合成法は様々なアリールビス(トリフリル)メタンの一般的かつ有用な合成法であることが分かった。また、アリールビス(トリフリル)メタンだけでなくアルキルビス(トリフリル)メタンの合成も可能である。この合成法を利用してキラルブレンステッド酸の合成とその触媒としての評価を試みた。キラルテンプレートにはビナフチル骨格を選択し、出発原料に市販の(R)-ビナフトールを用いて2位にビストリフリルメチル基を持ち、2'位に水酸基、メトキシ基、メチル基をもつ3種類の新規キラルブレンステッド酸を合成した。これらを触媒に用いてベンズアルデヒドから誘導されるアルジミンとケテンシリルアセタールとの不斉マンニッヒ反応を試した。その結果、触媒の2'位の置換基によって反応性に差が見られ水酸基の場合に最も高い活性を示した。これは、ビストリフリルメチル基の酸性プロトンと水酸基の相互作用により酸性度が高められた結果であると考えられる。アルジミンの窒素上の置換基を検討した結果、ジフェニルメチル基の場合に中程度のエナンチオ選択性を与えた。しかし、化学収率が低かった。そこで、様々な添加剤を検討した結果、t-ブタノールを加えることによりエナンチオ選択性を損なうことなく良好な化学収率で目的の生成物を得ることができた。以上、アリールビス(トリフリル)メタンの一般的な合成法を開発したことによりブレンステッド酸の精密設計が可能になった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)