炎症反応特異的に発現する新規ジシアル酸含有血清糖タンパク質の同定と機能解明
Project/Area Number |
04J05841
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
安川 然太 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ジシアル酸 / オリゴシアル酸 / 炎症 / シアル酸転移酵素 / 血清糖タンパク質 |
Research Abstract |
シアル酸同士が2〜4個縮重合したジ/オリゴシアル酸構造は、糖脂質ガングリオシドにおいて細胞接着、分化、シグナル伝達、アポトーシスに関わるなど重要な機能を果たしていることが知られている。一方、近年そのような糖鎖構造が糖タンパク質上にも存在していることが明らかになってきており、世界的に注目を集めている。しかし、その機能についてはほとんど解明されていない。 本研究では特に血清糖タンパク質上に結合するジ/オリゴシアル酸構造に焦点を置いて、その機能の解明を目的としている。まず始めに、私は炎症時における血清糖タンパク質上のジ/オリゴシアル酸構造の発現変動を調べた。テレビン油を背部皮下注射することによってマウスに炎症を誘導し、炎症前と炎症後の血清をジ/オリゴシアル酸構造に対して特異的な抗体を用いて分析したところ、未同定の32kDa糖タンパク質がジシアル酸構造を伴って発現上昇すること、また、未同定の30kDa、70kDa、120kDa糖タンパク質が炎症刺激に関わらずジシアル酸構造を含有していることを発見した。これらの糖タンパク質を精製し、ゲル内トリプシン消化、質量分析を用いて解析した結果、30kDa糖タンパク質を免疫グロブリン軽鎖、32kDa糖タンパク質をカルボニックアンヒドラーゼII、70kDa糖タンパク質をビトロネクチン、120kDa糖タンパク質をプラスミノーゲンと同定した。 免疫グロブリン軽鎖にジシアル酸構造が同定されたことから、モノクローナル抗体の各クラス、サブクラスについて解析し、IgG1、IgG2a、IgG3、IgM、IgEの軽鎖は調べた範囲では全てジシアル酸構造を含有していることが明らかとなった。また、マウスビトロネクチンだけでなく、ラットビトロネクチンにもジシアル酸構造が同定され、ラットから部分肝切除を行うと、ビトロネクチン上のジシアル酸構造が減少することが明らかとなり、ビトロネクチン上のジシアル酸構造は部分肝切除後の肝再生に関わっていることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)