ナノサイズ多孔体中ヘリウム原子薄膜の超流動とボース凝縮
Project/Area Number |
04J05881
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
戸田 亮 名古屋大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 超流動転移 / 次元性 / 原子薄膜 / 量子液体 / ヘリウム / ナノ多孔体 / 比熱 / 吸着圧力 |
Research Abstract |
本研究は、接続性の異なるナノ多孔体を用いて、超流動及びボース凝縮に対する原子薄膜の接続次元性の影響を調べることを目的としている。この目的を達成するために、孔径2.7nmの細孔が孔径の2倍程度の長さで規則的に3次元接続されているナノ多孔体HMM-2を封入した測定用セルと、孔径2.8nmの細孔が300nm程度の長さに渡って1次元トンネル状となっているFSM-16を封入した測定用セルを用意した。二つの多孔体中に吸着したヘリウム4の吸着圧力測定の結果から、二つの多孔体中でヘリウム4の膜成長はほとんど同じであり、二つの多孔体に吸着したヘリウム4の物性の違いは、次元性の違いからくるものと解釈できることが明らかになっている。昨年度は、HMM-2中のヘリウム4の比熱と超流動の同時測定を行い、その超流動オンセット温度にシャープな比熱のピークが現れること、同じ温度からボース統計の効果と思われる比熱の減少が始まることを明らかにした。これは3次元接続のために3次元的相転移が起こった証拠であると期待され興味深い。本年は、3次元接続をもたないFSM-16中のヘリウム4について、比熱と超流動の同時測定を行った。FSM-16中のヘリウム4薄膜では、ボース統計に伴う比熱の減少はあるが比熱のシャープなピークはないこと、超流動オンセット温度は比熱の減少が始まる温度よりも半分以下の低温であることを明らかにし、系の接続の次元性によって超流動転移が異なることを実験的に示した。また、HMM-2に吸着したおよそ1.3層程度のヘリウム4薄膜にヘリウム3を加え、その比熱測定を行い、フェルミ縮退温度以上でヘリウム4薄膜上のヘリウム3のモル比熱が気体定数程度であることを明らかにした。これは、ヘリウム4薄膜上のヘリウム3が理想ガス的に振る舞っていることを示唆している。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)