Project/Area Number |
04J05927
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biofunction/Bioprocess
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (2006) Nagoya University (2004-2005) |
Principal Investigator |
田中 功二 独立行政法人理化学研究所, 免疫監視機構研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 温熱療法 / 免疫療法 / 癌治療 / 樹状細胞 / 人工リンパ節 / 磁性微粒子 / リポソーム |
Research Abstract |
現行の温熱療法は、体外からラジオ波をあて、体組織のわずかなラジオ波の吸収の違いを利用して加熱しているため、正常組織も加熱されるなどの問題点があり、癌の治療において第一選択となることはない。我々はこの欠点を克服するため、マグネタイト微粒子を発熱体とする深在性ガン温熱治療を開発した。その研究過程で、単に腫瘍を熱死滅させる効果のみでなく、免疫系の賦活により転移巣の治療の可能性をも含むことが認められた。 熱免疫にはHSPが関与しており、これを利用する癌ワクチン療法がアメリカで始まっている。 私は温熱療法における免疫賦活効果をさらに効果的に誘導させる事で、癌根治の最大の障壁である転移癌も治療でき、かつ免疫を制御する事で低い副作用と高い腫瘍特異的免疫という特徴を備えた癌治療法として確立する事を目的とする。 これまでに、HSPが抗原提示細胞を活性化するという知見が示されてきており、その役割を効果的に行わせるためにその中で最も提示作用の強い樹状細胞(DC)を温熱療法と組み合わせた。B16 Melanomaを対象として、高い治療効果が得られ、対象となった癌に対する癌免疫が誘導されていた。また、EL4 T-Lymphomaにも、同様に治療効果が見られた。そのメカニズムとして温熱治療後の腫瘍に未成熟なDCを投与すると、そこで腫瘍抗原やHSPの刺激を受け所属リンパ節へと移行して抗腫瘍免疫が形成される事が分かった。 しかし、転移患者においては、免疫細胞が移動するような経路で癌細胞も所属リンパ節に転移してから遠隔地に転移をおこすため、現実的にヒトに上記の方法で治療を行っても、リンパ節が機能せず、十分な効果が発揮されない可能性が考えられる。そこで、人工的に作製したリンパ節を用いて抗腫瘍免疫を十分に発揮させることを考えた。現在までに、この人工リンパ節を用いることで高い抗腫瘍免疫を持続できることが確認できている。
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