Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、ヒメツリガネゴケ葉緑体RNA編集の制御因子を同定することを目的とする。まず第1に、RNA編集をリアルタイムで検出するための葉緑体ベクターの開発とRNA編集検出用の葉緑体形質転換コケを作製する。第2に、葉緑体形質転換コケのタグ付き突然変異体ゲノムライブラリーを作製し、この中からRNA編集欠損株を選抜する。最終的に、葉緑体RNA編集制御因子の候補遺伝子を絞り込むことを目標に研究を行う。本年度は、前年度に引き続いて、RNA編集検出用の葉緑体形質転換コケの作製を行った。前年度に作製した、rps14遺伝子の5'末端ACGコドン(C→U編集される)を含む約100ヌクレオチドの領域と蛍光タンパク質GFPを融合させたキメラコンストラクトを用い、ポリエチレングリコール法によって、野生型ヒメツリガネゴケの葉緑体ゲノムに導入した。その結果、約300株と多数の候補株を得た。これらの株では、RNA編集が起こると、レポーター遺伝子コード領域の手前で翻訳終結コドン(UGA)が形成され、レポータータンパク質が翻訳されないが、RNA編集が起きなくなると、翻訳終結コドンは形成されず、レポータータンパク質が翻訳されることが期待される。まずPCR法とサザンブロット法により、rps14-gfp融合遺伝子が確かに葉緑体ゲノムに挿入されている株が約30株あることを確認した。現在、これらの形質転換株を用いてRNA編集を検出することが可能であるか検証中である。今後は、この株を用いてタグ付き突然変異体を多数作製し、RNA編集欠損株を選抜する。
All 2006 2004
All Journal Article (2 results)
Biosci.Biotechnol.Biochem. 70
Pages: 2268-2274
Journal of Plant Physiology 161
Pages: 113-115