Project/Area Number |
04J06024
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林 正裕 長崎大学, 環東シナ海海洋環境資源研究センター, 特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 二酸化炭素 / 海洋隔離 / 深海魚類 / 急性致死影響 / 海産魚類 / 生物影響評価 / 高水圧 / 低水温 / 深海魚 |
Research Abstract |
深海生物を供試材料として深海環境を模した装置を用いて、高CO_2環境が深海生物に及ぼす影響を室内実験で把握する手法を開発し、その手法を用いて生物影響を調査することを主目的として実験を行い、今年度は以下の成果を得ることができた。 1、深海魚のCO_2耐性を把握するために、底生性深海魚ザラビクニンCareproctus trachysomaを用いて、数段階のCO_2レベルでの曝露実験(水温2℃)を実施した。ザラビクニンの急性(72時間)致死CO_2レベルは、2%CO_2(CO_2分圧≒2kPa)であることが分かった。そして、ザラビクニンのCO_2耐性は浅海魚(ヒラメ・イシガレイ)に比べて弱い可能性があった。 2、深海魚の生理機能に対するCO_2影響を調査するために、高CO_2環境下でのザラビクニンの呼吸頻度の変化を調べた。2%CO_2曝露によって、ザラビクニンの呼吸頻度は、曝露開始後3時間で曝露前の値31.6±5.2(N=3)回/minから18.7±5.0回/min(3時間)まで低下し、その後試験終了時まで上昇し続けた(72時間;27.0回/min(N=2))。これまでの知見において、ザラビクニン以外の全ての魚類で、環境水のCO_2増加に伴い呼吸頻度は上昇しており、高CO_2環境下において、魚類の呼吸頻度が低下した前例はない。 3、魚類において呼吸や酸排泄を担う鰓の形態計測をザラビクニンで実施した。ザラビクニンの一次鰓弁長は5.1±0.6mm(N=4)、一次鰓密度は17.5±1.3本/cm、二次鰓弁表面積は0.090mm^2、二次鰓弁密度は13.9±0.8枚/mm及び鰓表面積94±24mm^2/gであった。 4、ザラビクニンを高圧実験装置に収容し、高水圧下における心拍数の変化を調査した。ザラビクニンの心拍数は、常圧時の22.2回/minから20atmで26回/minに増加した。さらに40atmで27回/minになり、最終的に100atmで25回/minとなった。
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