シトクロムP450活性種特定を指向した中間体保護型ヘム・チオレート分子の開発
Project/Area Number |
04J06127
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Nagoya City University |
Research Fellow |
奥園 希美子 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員DC1
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シトクロムP450 / ヘム / チオレート / チオレート配位鉄ポルフィリン / 酸化活性種 / アロマターゼ / アルキルヒドロペルオキシド / 反応機構 |
Research Abstract |
シトクロムP450は極めて高活性でその酸化活性種の寿命が極めて短いため、スペクトルで直接捕らえられた例はなく、構造は明かにされていない。当研究室で開発したチオレート配位鉄ポルフィリンであるSR(Swan Resting)錯体は、構造、反応性共にP450と類似していることが明らかになっている。SRを用いた酸化活性種の同定が試みられたが、酸化活性種の生成が非常に速く、生成過程をスペクトル的に追跡することはできなかった。 そこで、酸素原子を保護することで寿命延長を期待して置換基を導入した新規SR誘導体をデザインした。錯体を合成する上で鍵となる.中間体、5,10,15,20-tetrakis-(α,α,α,α-2-amino-6-methylphenyl)porphyhinに軸配位子の導入、ピバロイル化、鉄の挿入、硫黄の鉄への配位を行うことで、新規SR誘導体を得た。EPR、UV-Visスペクトルがヘム-チオレート錯体に特徴的であったことより、目的の錯体構造が確認できた。現在、この錯体を用いてて酸化反応を行い、UV-Vis等により酸化活性種の構造を検討しているところである。 ステロイドのA環の芳香化過程を触媒するアロマターゼ(P450arom)は、反応中間体にアルキルパーオキシド-ヘムが生じると考えられている。このO-O結合の開裂様式を解明することもP450の酸化活性種の構造解明につながると考えられる。そこでSRを用い、酸化剤をアルキルヒドロペルオキシドである2-methyl-1-phenylpropan-2-yl hydroperoxlde (MPPH)、基質を各種4位置換2,6-ジ-tret-ブチルフェノールとして検討を行った。MPPHは、O-O結合の開裂様式が異なると生成物が異なるため、生成物を定量することで開裂様式の検討を行った。酸化剤としてMPPHを用いると、過酸を用いた場合ヘテロ開裂が優先して起こるのとは対照的に、ホモ開裂が優先して起こることが明らかになった。また、4位に電子供与基を導入するとヘテロ開裂の割合が増加するという、基質に依存した結果となった。これは、ヘム-ペルオキシ複合体が活性種であることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
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