Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究者はこれまで抗癌剤耐性に関与するといわれているYB-1(Y-box結合蛋白)が唾液腺癌の抗癌剤抵抗性に関与すると考え、YB-1が薬剤抵抗性に関わる分子機構について検討してきた。唾液腺癌細胞内でYB-1と相互作用する蛋白を同定する為、昨年度唾液腺細胞のcDNAを用いてTwo-Hybridスクリーニングを行ない、YB-1結合蛋白としてNPMを得た。NPMは腫瘍細胞に多く発現しており細胞周期調節、細胞増殖調節、DNA障害性ストレスなどに関与することが、知られている。昨年度までに、GST及びHIS融合蛋白を用いてGST pull down assayでIn vitroでの結合を確認し、更にYB-1欠失変異蛋白を作成し、NPMはYB-1のN末ドメイン及びCSDと結合することを明らかにしてきた。更に免疫沈降法にて両蛋白が細胞内で結合することを確認してきた。 1,NPMの欠失変異を作成してYB-1との結合部位を同定した。 本研究者は昨年までにYB-1の欠失変異蛋白を作成しNPMとYB-1のN末ドメイン及びCSDとの結合を確認した。更に本年度はNPMの欠失変異蛋白を用いてYB-1との結合部位を検討した結果C末のDNA/RNA結合ドメインと結合した。 2,UV照射細胞内でのYB-1とNPMとの結合を免役沈降法を用いて確認した。 昨年度までに、腺様嚢胞癌細胞(ACCS)の抽出タンパク質を用いて、UV照射後の両蛋白の結合がUV照射量依存的に増加することを確認した。更に、UV照射後にはYB-1のC末ドメインは細胞質から核に移行するのに対し、NPMは核小体から核質全体に移行することを確認した。本年度は、UV照射腺様嚢胞癌細胞の核抽出液及び細胞質抽出液を用いて、ウェスタンブロット法を用いてYB-1C末がUV照射前は細胞質抽出液中に多く存在するのに対し、照射後は核抽出液中に多く存在することを確認できた。このことから、UVなどのDNA障害性ストレス下では両蛋白が核質に移行して相互作用することが示唆された。更に、UV照射後細胞の核抽出液中で両蛋白が結合していることを免疫沈降法にて確認できた。 3,YB-1アンチセンス導入培養唾液腺癌細胞における抗癌剤感受性: YB-1のアンチセンスを作成し、これを腺様嚢胞癌細胞(ACCS)に導入してシスプラチンあるいはUVで刺激し細胞増殖率を評価した。また、YB-1を過剰発現させてた細胞でも同様に評価したところ、過剰発現細胞と通常ACCSとで明らかな増殖率の差は認められなかったが、アンチセンス導入細胞では著名な増殖率低下が認められた。現在これらの細胞内でのNPMのタンパク量、局在及びNPMアンチセンス導入などを検討中で、YB-1あるいはNPMのアンチセンスを用いたアンチセンス療法による抗癌剤耐性克服の可能性を検討している。
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