マグネシア-アルミナ系スピネル化合物における照射損傷に及ぼす電子励起効果の解明
Project/Area Number |
04J06533
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
島田 幹夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 照射損傷 / 電子励起 / 電子回折 |
Research Abstract |
本研究では、200MeV Xe ^<14+>イオンまたは350 MeV Au^<28+>イオン照射したMgO・nAl_2O_3の微細組織観察およびHARECXS実験を行い、高密度電子励起によって形成されるイオントラックの内部および周囲の構造について検討を行った。これらの結果から、以下のことが明らかになった。 1.200MeV Xe^<14+>イオンおよび350MeV Au^<28+>イオン照射によって形成されたイオントラックは、明視野像においてその先端部がフォーカス条件に伴って白黒のコントラストが反転した。このことから、イオントラックは先端部に微小なピットを持つと考えられる。 2.電子線回折図形においてハローリングは観察されず、また高分解能像においてイオントラックの中心部に母相と変わらない格子像が観察された。これらのことから、イオントラックの内部構造は不規則化したスピネル構造であると考えられる。 3.2波励起条件では、近接して形成されるイオントラック間に、強い歪コントラストを有する面状の欠陥集合体が観察された。これは、イオントラック周囲の損傷領域が重複することにより形成されたものであると考えられる。 4.HARECXS解析の結果、高密度電子励起によってO^<2->イオンの不規則化はほとんど生じず、イオントラックの内部およびその周囲のイオン配列は陽イオンが四面体サイトと八面体サイトにランダムに分布した状態であることがわかった。この不規則化はイオントラックの中心から約6nmの範囲で起こっており、像観察されるイオントラックのサイズよりも広範囲に及んでいることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)