Sprouty/Spredの生理機能と癌細胞の増殖転位における作用の解明
Project/Area Number |
04J06636
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
武富 孝治 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 増殖因子 / チロシンキナーゼ / MAPキナーゼ / 神経細胞 / 食道 / 消化管 / ノックアウトマウス / Ras |
Research Abstract |
増殖因子やサイトカインが受容体に結合すると、細胞内のチロシンキナーゼの活性化が起こり、続いてSTAT経路やRas/MAPキナーゼ経路を活性化することで、遺伝子発現や細胞機能の変化が起こる。サイトカイン・増殖因子によるシグナル伝達経路の大筋はほぼ解明されつつある一方、シグナルの停止機構や受容体間のクロストーク、さらには同一のサイトカインや増殖因子がどのようにして増殖、分化、増殖停止など全く異なる細胞反応をもたらすのかなどのシグナル制御に関する分子機構の解明は今後の課題である。申請者らは最近Ras/MAPK経路を抑制するSproutyに関連した新規分子Spredをクローニングした。Sproutyは元来ショウジョウバエにおいて増殖因子によるRas/MAPキナーゼを抑制する分子として発見されたものであるが、その作用機構や、哺乳類での生理機能はほとんど明らかにされていない。本研究では、Sprotuy2についてノックアウトマウスの作製を行い表現型の解析を行った。Sproty2ノックアウトマウスは生後4週間後より成長障害がみられるがその原因は食道と胃の噴門部における食物の通過障害であった。また腸にガスが溜まり巨大結腸の症状も示した。消化器の神経叢を調べたところ神経の数が増えておりアセチルコリンによる収縮力も増大していた。Sprouty2が欠損することによって神経性増殖因子GDNFのシグナルが強く入り消化器運動の制御障害をもたらしているものと思われた。実際にGDNF刺激によってSprouty2欠損消化管神経のERKとAktの活性化亢進が認められた。また抗GDNF抗体によって消化管神経の数の増加は抑制された。これらの結果よりSprouty2はGDNFの負の制御因子であり消化管神経の数の制御に必須の役割を果たす事が明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)