シロイヌナズナ内在性トランスポゾンのエピジェネティックな制御
Project/Area Number |
04J06866
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | National Institute of Genetics (2005) The Graduate University for Advanced Studies (2004) |
Principal Investigator |
加藤 政臣 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エピジェネティクス / トランスポゾン / DNAメチル化 / ヘテロクロマチン / セントロメア / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
前年度までの研究で、トランスポゾンの転移抑制にDNAメチル化が必要であること、一度活性化されたトランスポゾンは野生型条件下でも転移し続けることなどを示した。本年度は、(1)トランスポゾンの制御に関わる他の因子について、(2)染色体上でのトランスポゾンの分布に影響する要因について中心に研究を進めた。 (1)シロイヌナズナのCAF-1(Chromatin Assembly Factor 1)はDNA複製時におけるクロマチン再構築に関わる。caf-1変異体では、内在トランスポゾンCAC1を含め幾つかのトランスポゾン配列や不活性な外来遺伝子の転写レベルでの活性化が引き起こされた。クロマチン再構築因子はエピジェネティックな状態の安定な遺伝に寄与していると考えられる(Genes Cells 11,153-162)。 (2)CAC1を初め多くのトランスポゾンはセントロメアのヘテロクロマチン領域で高頻度に観察される。CAC1の場合にはヘテロクロマチン特異的な挿入がその直接的な要因ではないことを以前報告した。トランスポゾンの分布に影響する他の要因として、ヘテロクロマチンに挿入したトランスポゾンが再度不活性化され、結果的にセントロメア周辺に蓄積してきた可能性も考えられる。野生型条件下でCAC1の転移を誘導する実験系を利用し、この可能性について検討した。予備的な結果では、ヘテロクロマチンに転移したCAC1において周囲の高度にメチル化された状態がトランスポゾン配列の内部に広がり再メチル化が観察された。現在、実験結果を再度検証している。DNA高メチル化の領域が世代を経ることで変化するかという問題も興味深い。 本研究を通じて、トランスポゾン配列を中心に構成されるセントロメアの安定性やその進化、さらにヘテロクロマチンやDNA高メチル化領域の境界を決定する機構について理解が深まると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)