乳蛋白由来のニューロテンシンアゴニストを用いた健やかな脳の発達のための食品の開発
Project/Area Number |
04J07011
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Research Fellow |
山内 玲奈 国立精神・神経センター, 疾病研究第四部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 学習・記憶 / 抗ストレス / グリア細胞 / 抗不安・抗ストレス作用 |
Research Abstract |
β-lactotensin(以下、β-LT)は牛乳β-lactoglobulinの酵素消化物から単離された4残基のペプチドで、neurotensinの低親和性レセプターであるNTR2に対して高い選択性を示す。前年度までの研究では、成体マウスにおいてβ-LTの情動行動に対する影響を検討したところ、腹腔内投与によりストレス下でのHole-Board TestにおいてHead-dipping回数の減少を有意に改善する抗ストレス効果を示し、この作用はNTR2の拮抗薬によってblockされること、またラベル体を用いた実験により、約8割のβ-LTが投与後速やかに各組織に取り込まれている可能性が示唆された。β-LTはNTR2作動薬であることから、本研究機関にて作成された。NTR2ノックアウト(以下、KO)マウスを用いて、学習や記憶におけるNTR2の役割について検討した。NTR2KOマウスの新奇環境に対する行動や不安様行動などを評価する各種行動試験を行ったところ、恐怖記憶における情動行動を評価するFear Conditioning Testのみwild typeとの間に顕著な差が認められ、KOマウスではfreezingが有意に低下していた。さらに、この異常は投与後1時間で見られることから、NTR2は恐怖記憶の形成〜固定の段階で重要な役割を担っていることが示唆された。さらに、脳のどのタイプの細胞に発現するNTR2が行動を制御しているかについて、neuron及びglia細胞の初代培養を行い、NTR2mRNAの発現を定量的PCRで検討したところ、glia細胞の中でも特にastrocyteにおいて高い発現が認められ、その相対値はneuronの約50倍であった。Astrocyteは出産直前〜生後の脳内で急速に分化することから、NTR2が脳の発達段階で重要な役割を担っており、胎生期〜出産直前の時期にβ-LTが新生児の脳発達を強力にサポートする薬品として利用できる可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)